二世帯住宅には様々なデメリットが存在し、考慮せずに建ててしまうと親子間でトラブルになってしまったという声が聞かれます。本記事では、二世帯住宅のデメリットやトラブルになりやすい間取りから、二世帯住宅の種類別のデメリット、それらのデメリットを回避する方法などについて解説します。
二世帯住宅の相談窓口

二世帯住宅ではどんなことがデメリットになるのか?

二世帯住宅は、親世帯と子世帯の同居を前提に作られる住宅のことです。二世帯住宅では、どのようなことがデメリットになるのかそれぞれ解説します。

1.同居世帯の生活リズムが違う

二世帯住宅では、家族とはいえ同居すれば生活リズムの違いがデメリットになることもあります。例えば、子世帯は夜遅くまで起きているなど、人の気配や聞こえてくる生活音にストレスを感じることもあるでしょう。また子世帯からすると、親世帯が朝早くから起きていることに、ストレスを感じることもあります。

それぞれの世帯の生活時間がずれることにより、ストレスを感じる人は少なくありません。生活リズムが違うことによる気遣いは、二世帯住宅とは切り離せないものなのです。

2.プライバシーが確保しづらい

二世帯住宅では、プライバシーが確保しづらい点もデメリットに感じやすいポイントです。常に誰かが自宅にいる状態が多くなると、大きなストレスになる可能性があります。

トイレや浴室の出入りで、視線が合うだけでも気まずいものです。間取りに余裕がなければ、1人で過ごすプライベート空間を作ることも難しいでしょう。大なり小なりトラブルに発展するケースがあるため、いかにプライバシーを確保するかが重要になります。

3.負担する費用の割合でもめやすい

費用の分担で、もめやすい点も二世帯住宅のデメリットです。水道光熱費などの費用に関して、2世帯が出し合えば負担を減らすことができます。イーブンにすれば良いと考えるかもしれませんが、かえって不公平に感じるケースがあるので注意が必要です。基本料金から折半する場合、実際の使用量に大きな差があれば公平とはいえないでしょう。

住み始めてから水道光熱費でもめないためにも、どのように負担をするのかを話し合っておきましょう。それぞれが使った分を支払うのであれば、設備を完全に分け、配管やメーターを別に設置する方法を検討してみてください。

4.二世帯住宅の売却が難しい

二世帯住宅は、いざ売却を考えても、買い手がつきにくく売却が難しい点もデメリットです。一般的な戸建て住宅と違って、二世帯住宅は部屋数が多かったり、水回りが複数個所に配置されていたりと、基本的には、二世帯もしくは多世帯といった層にしか需要がありません。そのことが、売却を難しくさせているのです。

また、敷地が広く建物も大きくなることから、固定資産税や修繕などの維持費が高額になりがちなことも、買い手が敬遠するポイントといえます。

5.相続が発生した際にトラブルになる可能性がある

相続が発生した際に、子世帯以外に相続人がいると、トラブルになる可能性がある点も二世帯住宅のデメリットです。両親のどちらか一方が亡くなった際の財産を引き継ぐことを「一時相続」、さらにもう一方が亡くなった際の相続を「二次相続」といいます。一次相続では、大半の財産を引き継ぐ存命の親がいるので、相続人が子のみになる二次相続の方がトラブルになりやすいのです。

二次相続における親名義の財産が、二世帯住宅の持分(土地・建物の全部または一部)以外に、現金や預貯金などがあり、二世帯住宅の評価額と同程度であれば大きなトラブルにはなりません。

トラブルになりやすいのは、親名義の財産のほとんどを二世帯住宅の持分が占めている場合に複数の子が相続するケースです。二世帯住宅に住んでいる子がいる限り、売却は容易ではありません。売却しないのであれば、他の兄弟姉妹に代償金を支払う必要があります。

遺産分割において、相続した二世帯住宅を売却する場合は、代償分割と換価分割のいずれかの方法をとることができます。以下で、概要について解説します。

代償分割

代償分割とは、特定の相続人が不動産などの相続財産を現物で取得する代わりに、他の相続人に金銭などの代償金を支払うことによって精算する分割方法です。代償金の額は、「法定相続分」に応じて計算します。

代償分割を利用するには、不動産を相続する人が代償金の準備をしなければなりません。そのため、支払うだけの資力が必要です。

換価分割

換価分割とは、不動産などの財産を売却し、金銭に換えてから相続人の間で分割する方法です。この方法は、相続財産を換金できることが前提です。想定以上に高い価格で売却できたとしても、相続税に影響はありません。相続税は、相続開始時点における評価額に基づいて計算されるためです。

なお、取得した代金の割合に応じて、譲渡所得税が課税されるため、相続税だけでなく、所得税も課税される点に注意しましょう。

二世帯住宅の種類別にみられる特徴とデメリット

二世帯住宅の主なデメリットについて、前述しました。二世帯住宅は、共用する部分の割合で3種類に分かれます。種類ごとの詳細なデメリットについて押さえておきましょう。

ここで解説する3種類の二世帯住宅は、以下の通りです。

  1. 完全共有型
  2. 一部共有型
  3. 完全分離型

1.完全共有型

完全共有型は、寝室以外の生活スペースや設備を全て共用するタイプの二世帯住宅です。親世帯と子世帯の垣根がなく、家事や育児、介護の協力がしやすくなります。共用部分が多いため、二世帯住宅の中では、建築コストを抑えることが可能です。将来的にどちらか1世帯になっても、現状のまま住み続けられるタイプといえるでしょう。ゆえに、売却もしやすいです。

一方で、完全にプライバシーを確保することは難しく、生活リズムの違いからストレスを感じやすい点がデメリットです。友人を招いたり、1人でくつろいでいたりといったプライベートな過ごし方に気を遣ってしまうこともあるようです。

生活リズムが違い過ぎる場合は、特に注意が必要です。毎日のように活動時間がずれていると、ドアの開閉音や足音からトイレやお風呂の排水音まで、様々な生活音が気になるようになります。これでは、お互いに強いストレスを抱えることになりかねません。両世帯の距離感が近いということはメリットであり、デメリットにもなる可能性があります。安心して暮らすための工夫が大切です。

2.一部共有型

一部共有型は、生活スペースや設備の一部を共用するタイプの二世帯住宅です。プライバシーを確保しやすく、程よい距離感で関われます。共用部分と各世帯用に独立させる部分の割合に決まりはなく、その組み合わせは多様にあるため、間取りの自由度は高めです。

デメリットとしては、どの部分を共用するかによって異なりますが、生活音などの配慮は欠かせないことです。共用の範囲は予算や各世帯の価値観によって、スムーズに決まらない可能性があります。

将来的に売却を視野に考える場合、一般的に二世帯住宅は戸建てに比べ売りづらいといわれている点がデメリットになります。共用部分と独立部分の組み合わせが多様であると紹介したように、個性的な住宅なので買い手のニーズに合いにくいのです。

3.完全分離型

完全分離型は、世帯それぞれが独立し、生活スペースや設備の共用がないタイプの二世帯住宅です。このタイプは、上下もしくは左右に世帯を分けるので、完全にプライバシーを確保できます。仮にどちらか一世帯になった場合、賃貸として貸し出すことが可能です。

魅力的な完全分離型にも、デメリットはあります。まず挙げられるのは、設備コストが高くなることです。そもそも共用するものがないため、世帯ごとに設置しなければなりません。そのため、全体の建築コストも二世帯住宅の中では割高になります。限られた予算で難しいのであれば、共用部分をできるだけ少なくした一部共有型を検討することになるでしょう。

また、完全にプライバシーを確保できる反面、コミュニケーションを意識して取らないと希薄になってしまう点をデメリットに感じる人もいます。世代間の交流が減ると、家族の変化に気づきにくくなることは否めません。介護の時に、一軒の住宅でありながら行き来するのが煩雑になるという面もあります。

二世帯住宅でトラブルになりやすい間取り

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二世帯住宅のデメリットを紹介しましたが、さらに具体的にトラブルになりやすい間取りについて解説します。トラブルが想定されるのは、以下の4つの間取りです。

  1. 寝室の真上に子ども部屋や水回りの配置
  2. 水回りを共用する
  3. 収納が少ない
  4. 生活動線上に共用スペースがある

1.寝室の真上に子ども部屋や水回りの配置

寝室の真上に子供部屋や水回りを配置する間取りは、音が響いてトラブルになりやすいです。子どもがいると、足音や声、遊んでいる時の音など、様々な騒音が発生してしまいます。また、トイレや浴室の水を流す音、洗濯機の排水音に加えてモーターの振動と音もトラブルになる原因の1つです。

生活音や排水音が気になってリラックスできない、よく眠れないということがストレスになるため、寝室の真上の間取りや水回りの配置には十分な配慮が必要です。

2.水回りを共用する

水回りを共用する間取りもトラブルが多いです。キッチンやトイレ、浴室などの水回り設備は、家族の人数が増えるほどタイミングが重なり、ストレスになります。加えて、設備の使い方や掃除の仕方、誰が掃除をするのかといった点でトラブルになりやすいのです。二世帯住宅を考える上で、水回りをどこまで共用するか、何を分離させるかがポイントになるでしょう。

3.収納が少ない

二世帯住宅には2世帯分の物があるため、収納が少ない間取りはトラブルになりかねません。収納を共用する場合、どちらかの世帯の物が占領してしまう可能性があります。

元々ある物に加え、新しく増える物を考えると、収納が不十分な状況ではなかなか片付かなくなってしまうでしょう。物が増えれば、リビングなどの共用部分を狭めてしまうかもしれません。収納が少ないのであれば、お互いの要望や解決策を見出していくことが大切です

4.生活動線上に共用スペースがある

生活動線上に共用スペースがある間取りの場合、暮らしにくさを感じることがあります。どちらかの世帯の居室近くに共用スペースがあると、その居室を常に通らなければならないといった具合です。これでは、プライバシーの確保ができません。共用スペースが多いほど、ストレスを溜めやすくなるでしょう。

とはいえ、同居しながら全く顔を合わせないというのも、二世帯住宅ならではの魅力が半減してしまいます。あえて生活動線上に共有スペースを一部設けるなど、お互いの存在を確認し、コミュニケーションをとるという考え方もあります。間取りを決める際には、共用スペースをストレスなく使えるよう生活動線を把握する必要があるのです。

二世帯住宅によるデメリットを回避する方法

ここまで、二世帯住宅のデメリットを感じられるポイントを紹介してきました。デメリットを知るだけでなく、デメリットを回避する方法を知っておくことが大切です。円満に暮らすコツにもなるので、ぜひ参考にしてみてください。

1.ライフスタイルに合った二世帯住宅を選択する

二世帯住宅によるデメリットを回避する方法の1つとして、ライフスタイルに合った二世帯住宅の種類を選択することが挙げられます。二世帯住宅でどのような暮らしがしたいのか、二世帯での暮らしで幸せに感じることはどのようなことなのか、済面・生活リズム・世帯の距離感や関係性を軸に考えると、理想的な二世帯住宅の暮らしが見えてくるはずです。

コストで考えると、完全共有型にメリットを感じる方も多いでしょう。しかし、プライベートを確保したい場合は、完全共有型では難しく、完全分離型が一番です。とはいえ、完全分離型では予算や敷地面積で実現が厳しいということもあります。安易に妥協して、二世帯住宅の種類を選ぶのではなく、ライフスタイルに合った二世帯住宅を選択することが大切なのです。

2.暮らしのルールについて事前に話し合っておく

二世帯住宅によるデメリットを回避するには、暮らしのルールについて事前に話し合っておくことが有効です。特に、金銭に関することはトラブルになりやすいため、水道光熱費といった生活費の支払いなど負担する範囲を明確にしましょう。要望は、些細と思われることも出し合っておくことが大切です。

二世帯の同居が始まるまでに、両世帯ともそれぞれの生活ができあがっています。そのため、暮らしのルールを話し合って確認することが必要なのです。お互いに、無理や我慢が少ない方が円満に暮らせるでしょう。

3.お互いにストレスにならない間取りを検討する

二世帯住宅でデメリットに感じるポイントには、同居世帯の生活リズムの違いから起こり得る点も多くあります。お互いのストレスにならない間取りを検討することは非常に重要です。

例えば、食事のタイミングが違う場合は、片付け終わったキッチンを使わなければいけなかったり、においや音に気を遣ったりします。そのような場合は、キッチンをそれぞれ独立して設けるのも良いでしょう。

 

sumuzu(スムーズ)が手掛けた実例です。

末永く暮らせる二世帯住宅をコンセプトとする二世帯木造住宅です。1階・2階それぞれにキッチン、食事スペース、リビングがあり、家事動線を考えた設計になっています。

ヒルトップに佇む2世帯邸宅

 

両世帯ともプライバシー性を高めるのであれば、完全分離型が最適です。さらに、中庭を設置することで、親世代と子世帯が中庭を介して行き来することができます。世帯間だけでなく、周囲からのプライバシーも確保できる点がメリットです。

sumuzu(スムーズ)が手掛けた実例です。

店舗併用2世帯住宅の都市型エコハウスです。細長い敷地に中庭が配置され、プライバシーを確保しつつ、光や風の通る設計になっています。高気密・高断熱仕様や漆喰等の自然素材を多用し、よりリラックスしやすい空間になっています。

店舗併用2世帯住宅の都市型エコハウス

4.相続について関係者と話し合う

すでに紹介したように、相続が発生した際にトラブルになる可能性がある点が、二世帯住宅のデメリットです。このデメリットを回避するには、二世帯住宅を建てる前の段階で、相続について関係者との話し合いが必須です。

相続人である子に兄弟姉妹がいる場合、不公平感がないようにしなければなりません。二世帯住宅を同居の子が受け継ぐのであれば、他の兄弟姉妹に何をいくら相続させるかを決めておく必要があります。もしくは、二世帯住宅以外の資産を生前贈与するのも一案です。加えて、使わなくなった一世帯の活用法についても話し合っておくと良いでしょう。

相続はデリケートな内容であり、弁護士や司法書士など専門家へ相談してみることをおすすめします。

トラブルの少ない二世帯住宅を建てるには?

二世帯住宅を建てるなら、生活音の防音、水回りの共用の範囲、収納の充実、生活動線の配慮など、トラブルの少ない間取りにしたいものです。しかし、全ての要望を叶えると、確実に予算をオーバーしてしまいます。予算内で、各世帯の希望に合ったプランで実現することはできないのでしょうか。

そういった場合におすすめしたいのが、株式会社ランディックスが運営する、注文住宅マッチングサービス「sumuzu(スムーズ)」です。

理想のオーダーメイド住宅が可能

sumuzuはお客様の家づくりを中立的な立場からサポートする専門家集団です。

工務店・ビルダー・ハウスメーカー・設計事務所の選び方から、お客様のご希望に合わせた間取り計画・工事見積りの減額調整まで、家づくりに関する全ての悩みについてご相談いただけます。

なお、建築会社は、厳格な審査を通過した信頼できるハウスメーカーや工務店、建築家など、100社以上参加しています(建築会社一覧)。

住宅に関する様々な面をフォロー

資金計画を立てる上で重要になる、住宅の希望条件、予算に加えて、住宅ローンの紹介といった資金面の相談ができます。見逃しがちな火災保険やアフターサービス、引っ越しについても相談可能です。さらに、インテリア、エクステリア、セキュリティなどにも対応していますので、住宅に関する様々な面のフォローを行わせていただきます。

なお、これらの相談、ヒアリングなどは、チャット、メール、電話などで対応可能です。具体的な話は面談が必要ですが、オンラインによる面談(Zoom)にも対応しています。忙しい方にも安心の対応です。

デメリットばかりではない二世帯住宅のメリット

二世帯住宅にはデメリットもありますが、もちろんメリットもあります。いくつかあるメリットのうち、親世帯と子世帯に共通するポイントは以下の通りです。ここでは、それぞれのメリットについて解説するので、メリットとデメリットの両面から検討してみてください。

1.各世帯で戸建てを建てるよりも経済的負担が少なくなる

各世帯で戸建てを建てるよりも経済的負担が少なくなることが、二世帯住宅のメリットの1つに挙げられます。二世帯が同じ建物に住むので、建築コストが2軒分かかるわけではないからです。

完全分離型であっても、設備の共用はないとしても、屋根や基礎部分など共用部分が少なからずあります。二世帯住宅で共用する設備を増やしグレードダウンさせることで、さらに経済的負担を減らせるでしょう。また親が所有している土地に建てるというケースも少なくありません。そういった場合は、子世帯の負担は建物の建築コストのみになります。

2.育児もしくは介護などのサポートがしやすい

子育て中の子世帯や介護を必要とする親世帯にとって、育児や家事、介護などのサポートがしやすい点も二世帯住宅のメリットです。

二世帯住宅ならではの、世帯間を移動する負担が少ないことが影響しているといえます。身近に生活上の困りごとをサポートしてもらえる存在がいることは、両世帯にとって大きな助けになるでしょう。

3.両世帯が一緒にいられる安心感がある

両世帯が一緒にいられる安心感があることも、二世帯住宅でしか得られない精神面のメリットです。

高齢の親と離れて暮らしていると、毎日の生活で栄養バランスの良い食事をしているか、病気やケガがないかなど、心配になる方も多いのではないでしょうか。それは、親も同様の思いです。近くで見守れると、お互いに小さな変化にも気づくことができ、万一の時にも対応しやすいです。つまり、一緒に暮らしているからこそ、安心感が生まれるといえます。

最後に

本記事では、二世帯住宅のデメリットやトラブルになりやすい間取りから、二世帯住宅の種類別のデメリット、それらのデメリットを回避する方法などについて解説しました。二世帯住宅はデメリットばかりが目立つと感じるかもしれませんが、回避できる面も多くあります。その上で、メリットと合わせて、トータルで二世帯住宅での暮らしを検討してみてはいかがでしょうか。

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