注文住宅を考えるとき、RC(鉄筋コンクリート)住宅と木造住宅のどちらを選ぶとよいのか迷っている方も多いでしょう。どのような住宅を建築したいかによって、選ぶべき建物構造は異なります。構造の違いを知って、予算や要望に合ったものを選ぶことが大切です。

この記事では、これからマイホームを建てようと考えている方に向けて、コストや工期、機能面、設計などの視点からRC造と木造とを比較します。それぞれの選ぶポイントも解説するので、新築計画の参考にしてみてください。

比較する前に押さえておきたいRC造と木造の基本

RC造と木造を比較する前に、建物構造それぞれの特徴を理解することが大切です。

建物構造とは、主に柱や梁といった骨組みのことで、使用する材料によって分類されます。基本的な知識を得たうえで比較することで、RC造と木造の特徴や適用範囲を把握し、新築計画に活かせるでしょう。

ここでは、RC造と木造の特徴と工法を解説します。

RC造はコンクリートを鉄筋で補強している構造

RC造とは、コンクリートを鉄筋で補強している構造です。引張力に強い鉄筋を、圧縮に強いコンクリートで覆う構造になるため、建物の耐久性が非常に高くなります。

鉄筋を組んで型枠を囲った後、コンクリートを流し込んで骨組みを造ります。基礎から柱や梁、壁などを一体化させるので、つなぎ目がありません。そのため、四方からの力にもしっかり対応し、耐震性の向上につながっています。

RC造は、組み方の違いから壁式構造とラーメン構造に分けられます。以下で、それぞれの特徴を確認しましょう。

壁式構造

壁式構造とは、壁で建物を支えるもので、面だけでできた箱状の骨組みです。各階ごとに壁と天井を組み立てて、コンクリートを打設します。

壁が柱や梁の代わりとなるため、凹凸のないスッキリとした空間づくりができるうえに、コーナーを無駄なく使えることがポイントです。しかし、壁が建物を支える役割をしているので、大幅な間取りの変更が難しくなります。設計の際には、間取りを十分に検討しなければなりません。

ラーメン構造

ラーメン構造とは、柱と梁で建物を支えるものです。柱を建ててから梁と天井を設置し、コンクリートを打設します。柱と梁で構成された枠組みの接合部を溶接などで一体化(剛接合)することで、耐震性を高めています。

柱と梁の接合部を剛接合して建物の強度を高めているため、壁の少ない広々とした空間作りが可能です。ただ、隅に柱が出てくるため、室内に凹凸ができてしまいます。

また、柱と梁の接合部を剛接合して耐震性を高めているものの、基本構造が「枠」になっており、横からの力に弱いのが懸念点です。ゆえに、壁式構造に比べると耐震性の面でどうしても劣ります。

木造は主要部分を木材で造られる構造

木造とは、柱や梁、壁といった主要構造部を木材で造られる構造です。木材は軽くて加工しやすいうえに強度があることから、日本では古くから建築資材として使われてきました。

国土交通省によると、2022年に新たに建てられた低層住宅(1~2階建て)の87.6%が木造で建築されています。4階建て以上の中高層住宅になると、ほとんど建てられていません。木造は、3階建てまでの住宅に採用される構造の主流といえるでしょう。

木造住宅で主に使用される工法は、主に木造軸組(在来工法)と木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)に分けられます。以下で、それぞれの特徴を解説します。

木造軸組工法(在来工法)

木造軸組工法とは、柱と梁で骨組みを造った後に、筋違いや合板で組み上げる工法です。

斜め方向に筋交いを組み込むことで、建物の耐震性を高めています。

住宅密集地や狭小地などの敷地条件でも柔軟に対応でき、リフォームがしやすいのが特徴です。2022年の木造の新設住宅着工戸数における工法別のシェアは、木造軸組工法が78.8%、ツーバイフォー工法が19.1%と、日本の新築住宅で最も多く採用されている工法といえます。

参照:木材利用の動向|林野庁

ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)

ツーバイフォー工法は、2インチ×4インチの規格材と構造用合板などの耐力壁を組み合わせる「6面体構造」の工法です。建物を面で支えるため耐震性に優れる一方、開口部を取れないといった間取りに制限があります。

また、設計・施工ともマニュアル化されており、職人の技量に左右されません。工期が短く、仕上がりは一定の品質が保たれるのもメリットといえるでしょう。

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RC造と木造を8つのポイントで徹底比較

ここでは、RC造と木造を8つのポイントで徹底比較します。経済面や機能面、設計で比較するので、ご自身にとってRC造もしくは木造のどちらが向いているのかを判断する材料のひとつになるでしょう。

1.コスト

コストは、ハウスメーカーによっても異なりますが、木造が安くなります。RC造と比べて、建築コストを大幅に削減可能です。

一例として、構造別の坪単価を確認してみましょう。

木造RC造S造
(鉄骨造)
SRC造
(鉄筋鉄骨コンクリート)
全国平均1㎡あたり177,000円278,000円272,000円265,000円
坪単価584,100円917,400円897,600円874,500円
東京都1㎡あたり177,000円341,000円321,000円327,000円
坪単価584,100円1,125,300円1,059,300円1,202,200円
大阪府1㎡あたり177,000円278,000円272,000円265,000円
坪単価584,100円917,400円897,600円874,500円
愛知県1㎡あたり177,000円278,000円272,000円265,000円
坪単価584,100円917,400円897,600円874,500円

※調査結果にある1平方メートルの単価を坪単価に換算

引用:地域別・構造別の工事費用表(1m2当たり)【令和5年分用】|国税庁

木造とRC造とでは、費用に2倍近い差があります。

木造のコストが抑えられる理由には、木材の加工がしやすい点にあります。また、木材は軽いため、土台となる基礎にそこまで大きなものが必要ありません。さらに運びやすいため輸送コストが安くなります。これらによって、全体のコストの軽減が可能になるのです。

RC造には様々な工程があり、職人の手間を考慮すると、どうしても時間とコストがかかってしまいます。

2.工期

工期は、RC造が木造よりも長めとなります。住宅規模を同程度に仮定した場合、RC造は6か月ほどかかりますが、木造では約4か月です。

木造は木材のみで施工し、RC造は構造体を造るだけでも、配筋から型枠、コンクリートの流し込み、養生まで階数分を繰り返すというプロセスも多くなるためです。

また、木造よりも圧倒的に重いRC造の自重を支えるには、しっかりとした基礎工事が必要です。土地の状態によっては地盤改良のため杭工事などの工期もプラスされるため、実際にはさらに工期が長くなります。

3.耐用年数

税法上の耐用年数は、RC造が優れています。耐用年数とは、一般に法定耐用年数を指し、資産の種類や用途、構造を考慮して、資産価値がゼロになるまでの期間です。

木造は耐用年数が22年、RC造は倍以上にあたる47年も資産として国に認められています。

【用途が住宅用の構造別耐用年数】

建物の構造法定耐用年数
RC造47年
厚み4㎜を超える鉄骨造34年
厚み3㎜を超え、4㎜以下の鉄骨造27年
厚み3㎜以下の鉄骨造19年
木造22年

引用:主な減価償却資産の耐用年数表|国税庁

木造の場合では、新築から22年後に建て直しをおこなったとしても、その時点でRC造の耐用年数が上回ります。

ただし、耐用年数と建物寿命と同一ではなく、あくまでも税法上の指標にすぎません。そのため、耐用年数を超えたとしても住み続けられる可能性は高く、メンテナンスや地域の気候風土などが、実際の建物寿命に大きく影響します。

4.耐火性

コンクリートは燃えない素材のため、RC造は木造よりも耐火性に優れた安全性の高い構造です。そのため、火災に対して建物の内外における耐火性を発揮します。耐火構造として認められている理由であり、防火地域に指定されているエリアには最適な構造といえるでしょう。

木材は火に弱いイメージがある通り、火災時には大きなダメージを受けます。木造は、ある一定まで燃えると炭化し、燃えきるまでには時間がかかるのが特徴です。また、法律上は耐火性を高めるために、防火構造、準耐火構造、耐火構造といった造り方を規定しています。木材自体の欠点を補うことが可能になります。

5.耐震性

耐震性はRC造が高く、なかでも壁式構造は過去の大震災において最も被害が少なかったといわれるほどです。基礎と躯体が一体となる壁式構造は、鉄筋コンクリートによる6面体の箱状になることで、揺れなどの外力を分散して耐震性を発揮します。RC造ならではの強さといえるでしょう。

ただし、新耐震基準が改正され木造軸組工法の耐震性が高められています。

国土交通省によると、新耐震基準で求められる耐震性は以下の通りです。

  • 中規模の地震(震度5強程度)に対しては、ほとんど損傷を生じない
  • 大規模の地震(震度6強から震度7程度)に対しては、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じない

木造の場合、大きな地震で破断しやすかった柱や筋交いを固定する接合部の金物について規定されました。

参照:住宅・建築物の耐震化に関する現状と課題|国土交通省

6.断熱性

木造はRC造と比べて断熱性に優れています。木材は熱伝導率が低く、外気が室内に伝わりにくい性質があるからです。つまり、外気の影響を受けにくいため、室内を適温に保ちやすい構造といえます。

RC造は熱伝導率が高く、外壁と内壁ともにコンクリート打ちっぱなしの場合は、外気の影響を受けて快適とはいえません。また、熱橋を起こしやすいのもRC造の特徴です。熱橋とは、建物内で熱を伝えやすい部分で、外部の熱を室内に橋渡しして伝えてしまう現象です。

そのため、熱が逃げる柱や梁に断熱補強が必要になります。断熱材が建物内部のみに施される場合、外部からの熱を完全に遮断できない部分があるからです。住宅の規模によって違いがありますが、木造と比べると断熱対策の費用が多くかかります。

7.気密性

RC造は木造に比べて気密性に優れています。気密性とは、外部と室内の空気の出入りによる熱の移動を少なくする性能のことです。

RC造は型枠にコンクリートを流し込んでいくため、隙間が全くありません。さらに、窓枠とコンクリートの躯体はコーキング処理によって隙間のない状態です。気密性が高い場合、室内の空気を外に逃がさないため、長時間にわたり室温を一定に維持しやすくなります。

木造の場合、木材自体の気密性が低いため、外壁や床、天井に断熱材を充填し、隙間ができないように気密シートを施工する必要があります。

ただし、気密性が高いと、結露やカビが発生しやすくなるため、換気システムを検討しましょう。

8.間取りの自由度

間取りの自由度は、木造に比べてRCが高くなります。木造の場合は、耐力壁や柱の位置による間取りの制限があるので、開口部や窓を多く設けたり、柱のない広々とした空間を作るのは難しいでしょう。筋交いの入った壁以外であれば、窓やドアの開口部を大きく設けることができます。

RC造であれば、壁や床、天井が一体となって建物を支える頑丈な造りのため、デザインは自由自在です。壁の位置や部屋の配置、各部屋の広さを希望通りに設定できるでしょう。壁全面を窓にする大開口や、柱のない広いワンフロアを造ることができます。

安心して長く住める家を求めるならRC造

RC造のメリットとデメリットを8つのポイントで整理すると、以下のようになります。

メリットデメリット
耐用年数が長い(47年)
耐火性に優れている
耐震性が高い
気密性が高い
間取りの自由度が高い
コストが高い
工期が長い
断熱性が低い

RC造は、安心して長く住み続けることを前提に、初期費用が高くなっても高性能な住宅で暮らしたい方におすすめです。RC造は頑丈で長持ちするため、修繕費用を抑えられます。耐久性と耐用年数という観点から見れば、長期的な経済メリットがあるといえるでしょう。

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コストを重視したい場合は木造

木造のメリットとデメリットを8つのポイントで整理すると、以下のようになります。

メリットデメリット
コストが安い
工期が短い
断熱性が高い
耐用年数が短い(22年)
耐火性は比較的低い
耐震性は比較的低い
気密性は比較的低い
間取りの自由度は比較的低い

木造は、コストを重視して建てたい方におすすめです。木造はRC造と比べて、耐震性や耐火性など性能に劣るデメリットがあります。しかし、近年では木造住宅の高性能化が進んでおり、耐震性や耐火性を高めるような材質や設備を導入すれば、これらのデメリットは解消が可能です。

住宅性能を向上させたとしても、RC造と比べれば初期費用を抑えられる可能性があります。耐震性や耐火性が大きなデメリットにはなりにくいといえるでしょう。

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最後に

この記事では、コストや工期、機能面、設計などの視点からRC造と木造とを比較して解説しました。住宅の構造を考える際の比較項目は、コスト、工期、耐震性など多岐にわたります。RC造と木造造のメリットとデメリットをご自身の希望とする条件に照らし合わせて検討してみてください。

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