渡辺知哉
設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。
この記事の監修者
渡辺知哉
設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。
注文住宅を建てようと考えるとき、何から始めたら良いのか、どれくらいの期間をかけるのか疑問を抱く方が多いでしょう。
注文住宅は決めることが多く、進め方と順番を間違えると予算を超えてしまったり、間取りを後悔することにつながりかねません。入居までのスケジュールに照らし合わせて、決めることをリスト化しましょう。そうすることで、家づくりをスムーズに進められます。
この記事では、注文住宅を建てるときの「決めることリスト」をまとめています。入居までのスケジュールやリストを作成する際のポイントも解説しますので、家づくりの参考にしてください。
注文住宅の決めることリストを作る前に、入居するまでのスケジュールを確認しましょう。
注文住宅の場合、土地の有無によってスケジュールが異なります。土地探しから入居までの期間は1年ほどかかるのが一般的です。土地を所有しているのであれば、建築会社選びからスタートするので、早ければ10か月程度となります。
上記の期間は、あくまでも目安です。希望の土地が見つかるまでの時間のほか、打ち合わせ回数によってもは変わってくるので注意してください。
子どもの入園・入学などで入居時期に希望がある場合は、スケジュールを逆算したうえで、できるだけ早く家づくりに取り組みましょう。
入居までのプロセスに分けて、決めることリストを作成します。決めなければならない項目やその順番が把握しやすく、何をすれば良いか分からない状況が防げるでしょう。
入居までのポイントは、以下の大きく分けて5つになります。
✔ この記事について、詳しく質問したい
✔ 予算に合ったハウスメーカーを知りたい
✔ 土地探しとハウスメーカー選びを同時並行で進めたい
注文住宅の計画を立てる際に、資金と家族の要望をまとめておきます。どちらかを前後しても、あるいは同時進行でも問題ありません。取り組みやすいほうからスタートさせましょう。
注文住宅にいくらかけられるのか、資金計画を立てましょう。
まずは、自己資金を把握していきます。預貯金のうち、今後の生活に必要な費用以外で住宅資金に充てられる総額を把握することが大切です。親からの援助がある場合も、自己資金に組み入れます。
住宅ローンに関して、毎月の返済額をシミュレーションをしながら、借入可能額・借入年数・金利タイプ(変動・固定)の見通しを立てましょう。
【資金に関する決めることリスト】
・貯金額など資金に充てられる総額を把握する ・親からの援助があるか確認する ・注文住宅の総予算を決める ・住宅ローンを利用する場合、毎月の返済額を決める借入可能額・借入年数・金利タイプ(変動・固定)を検討する ・頭金をいくらにするのか決める ・融資を受ける金融機関を決める |
住宅ローン返済は長期にわたるため現状では支払いが可能であっても、ライフプランから経済状況の変化を考慮した上で、キャッシュフロー表の作成がおすすめです。
家族で理想の家に対するイメージを言語化しましょう。インターネットやSNS、住宅情報誌が参考になります。
【家族の要望に関する決めることリスト】
・住みたいエリアの候補をある程度まで絞る ・住宅構造(木造・鉄骨造)を決める ・家のデザインや形状、おおよその間取りなどを決める ・理想のイメージを把握し、譲れないポイントから優先順位をつける ・いつまでに完成させたいのかスケジュールを決める |
家族構成や生活動線を意識して、実際の暮らしをイメージすることが大切です。
入居から1年前には、希望エリアを中心に土地探しを始めます。土地探しにかける期間は、2か月程度を目安にしましょう。
土地探しから購入までの流れは、以下の通りです。
工事期間は建物の構造や規模によって異なりますが、通常4か月が必要となり、大きく短縮できません。スケジュール通りに進められるかは、土地を決定する期間がカギになるといえます。
土地のある・なしで決めることリストの内容が異なるので、それぞれ以下で確認してください。
条件が良い土地は、すぐに買い手が付いてしまうものです。吟味することも大切ですが、以下のリストに沿って、できるだけ早めに決断するようにしましょう。
【土地探しに関する決めることリスト】
・家を建てたいエリアを決める ・土地にかけられる予算を決める ・必要な土地の大きさを決める(駐車場スペースや庭の大きさを考える) ・手付金の額を決める |
家を建てたいエリアにある不動産会社であれば、土地の状況を把握しており、スピーディーに購入まで進められる可能性があります。
また、ハウスメーカーや工務店は、土地を確保している会社も多いので、土地探しと並行して選ぶのもひとつの方法です。
すでに土地があり、そこに注文住宅を建てたい場合は土地探しの必要がありません。以下のリストについて検討しましょう。
【すでに土地がある場合の決めることリスト】
・親の所有地を利用する場合は、贈与もしくは使用貸借のどちらにするのかを決める ・相続税や贈与税が発生する可能性がある場合は、弁護士や税理士などの相談を検討する ・建物や樹木などがあるときは更地またはそのままにして建てるのかを決める |
親が所有している土地を利用する場合は、贈与もしくは使用貸借のどちらにするのか話し合いましょう。「使用貸借」とは、無償で貸し付ける契約です。親子間の使用貸借では、将来的に相続して親から子へ名義変更します。
また、親に対して土地の権利金に相当する地代を払うと、贈与税が課される可能性があるため、税務の専門家への相談をおすすめします。
参照:No.4552 親の土地に子供が家を建てたとき|国税庁
入居から9〜6か月前には、施工会社選びを始めて複数社のプランを比較して契約へと進みます。契約後には、着工するための詳細なプランを作成する流れです。
家を建てたいエリアや希望条件をもとに、施工会社を選びます。
【施工会社に関する決めることリスト】
・施工会社のタイプを決める ・依頼する施工会社を決定する ・間取りや仕様、スケジュールの打ち合わせ日を決める ・手付金の額を決める |
注文住宅の依頼先となる施工会社の種類と特徴は、以下の通りです。
施工会社の種類 | 特徴 |
ハウスメーカー | 大手ゆえに安心感がある一定の品質が期待できるプランが規格化されているため、間取りの自由度はやや低い |
工務店 | 地域に密着しているので土地を知り尽くしている工務店ごとに品質に差がある間取りの自由度が高い |
設計事務所 | 施工は工務店に任せる難しいデザインやレイアウトにも対応できる間取りの自由度が高い |
施工会社選びは、理想の家づくりを実現するためにも慎重におこないましょう。実績や評判はもちろん、安心して任せられる担当者を見極めることも大切なポイントです。
施工会社と契約した後は、建物の位置や間取り、内外装、オプション設備に関する打ち合わせが始まります。この時期は、詳細なプランを作成する重要な項目を決めなければなりません。
契約から着工までに打ち合わせで決めることリストは、以下の通りです。詳しいリストの内容は、施工会社に確認してください。
【敷地内における建物の位置の決めることリスト】
・建物の向き(方角) ・駐車スペース ・庭の配置 ・排水経路や水道の引き込み ・外水栓の有無 |
【間取りの決めることリスト】
・部屋の数と配置 ・室内空間の大きさ ・階段の種類と配置 ・和室や吹き抜けの有無 |
【内装の決めることリスト】
・床の色と材質 ・壁や天井の色と材質 ・水回り設備のグレード ・照明の種類と色味 ・造り付け家具の有無 |
【外装の決めることリスト】
・全体のテイスト(モダン・和風など) ・建物の形状 ・外壁の色と材質 ・屋根の形状と材質 ・窓のサイズと種類 ・配置バルコニーの有無門扉 ・シンボルツリーなどの外構 |
【オプション設備の決めることリスト】
・太陽光発電システム ・食器乾燥機 ・浴室乾燥機 ・給湯器浄水器 ・空気清浄システム |
打ち合わせで決めることは、かなりの数があるうえにイメージしにくい項目も少なくありません。家づくりのプロを交えて、予算と要望のバランスを考慮すると良いでしょう。
建物の規模や建築条件にもよりますが、入居から5か月前には着工・上棟を迎えます。
上棟とは、柱や梁など住宅の基本構造が完成し、屋根を支える棟木(むなぎ)を取り付ける工事です。最近では、地鎮祭のみで上棟式を実施しない人も増えています。型にこだわらず、ご自身のスタイルで進めていくと良いでしょう。
建築工事が始まってからも、やるべきことがいくつかあるため、優先順位をつけて計画的に進めましょう。
・地鎮祭や上棟式をおこなうか ・近隣への挨拶新しく購入する家具や家電の準備 ・火災保険に加入 ・建物の引渡し日を決める ・引越し日を決める ・引越し業者の手配 ・ライフラインの契約 ・電話やインターネット回線の契約 |
入居から1か月前には建築工事が完了し、住宅の最終チェックがおこなわれます。工事内容や住宅の品質に問題がなければ、引き渡しに続いて引越しとなるのが一連の流れです。
入居に向けて、段取りよく決めていきましょう。
・完成時の立ち会い(傷のチェック、設備の動作確認など)の日時を決める ・旧居での引越しの挨拶をおこなう日時や手土産を決める ・入居する際に近隣へ挨拶をおこなう日時や手土産を決める ・家具や家電の配置を決める ・賃貸住宅の解約手続きをおこなう日時を決める ・住民票や郵便物の住所変更手続きをおこなう日時を決める |
引き渡しが完了するまでは、新生活に使う冷房機器やカーテンの取り付けができないので注意してください。
また、引越しの際に、不要な家具や家電がある場合は処分の準備をしましょう。譲渡のほかに、リサイクルショップへの持ち込みや自治体で処分する方法があります。どちらの方法も早めに進めておくと安心です。
✔ この記事について、詳しく質問したい
✔ 予算に合ったハウスメーカーを知りたい
✔ 土地探しとハウスメーカー選びを同時並行で進めたい
ここまで、注文住宅の計画を立てる時期から入居までのスケジュールを逆算して、各プロセスでの「決めることリスト」を紹介しました。
決めることリストを作成するときは、以下のような点に注意しましょう。
リストを作成する前に、完成までのスケジュールをあらかじめ決めておくと、スムーズに進みやすくなります。新居でいつから暮らし始めたいか、入居時期を定めて逆算してスケジュールを立てましょう。
また、実際に家づくりをスタートすると、建築プランがなかなか決まらないといったイレギュラーな事態が起きる場合も珍しくありません。余裕をもったスケジュールを立てることで、焦らずに対応することが大切です。
理想の住まいを実現するために譲れないポイントを決めたとしても、全ての要望を叶えられるとは限りません。
建築条件や予算の兼ね合いから、何かを諦めなければならないケースがあると認識しておきましょう。そのような場合に、要望の優先順位がないと見直しに時間がかかってしまいます。
家族で話し合って全ての要望に優先順位をつけて、どうしても叶えたいポイントを実現する考え方が大切です。
注文住宅は決めることが多く、専門知識がないと十分に検討できない場合もあります。情報を整理しながら、抜け漏れなく作成するのは容易ではありません。
決めることリストで判断に迷う場合は、家づくりの専門家への相談がおすすめです。家づくりの専門家とは、建築士やファイナンシャルプランナー、注文住宅の相談窓口などが挙げられます。
注文住宅をご自身だけで進めるのは大変なので、家づくりの知識や経験が豊富な専門家にサポートを受けましょう。
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注文住宅は決めることが多いため、計画を立てる段階から入居までの決めることリストを作成して進めなければ、完成時期がずれ込む可能性があります。
入居から逆算して順に整理しておくと、何を決めていくのかが明確になるうえに、段取りよく進められるようになるでしょう。
また、完成までのスケジュールをあらかじめ決めておくなど、注意するポイントを意識することも大切です。
ただし、決めることリストを作成するにも家づくりの専門的な知識を必要とする場合も少なくありません。そういったことが負担に感じる方もいらっしゃるでしょう。
sumuzuは、注文住宅に関する様々な相談のサポートが可能です。家づくりの負担を少しでも減らしたい方は、ぜひお問い合わせください。注文住宅の家づくりを楽しんでいきましょう。