渡辺知哉
設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。
この記事の監修者
渡辺知哉
設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。
「RC住宅を建てたいけれど、予算は限られている」
「ローコストを図りたいが、性能の低下は避けたい」
RC住宅は建築コストが高いため、できるだけ安く建てたいと考える方は多いでしょう。
この記事では、RC住宅をローコスト化するための具体的な方法を解説しています。ただし、ローコストばかりを重視すると、性能面や住み心地に不安を残しかねません。
住宅設計におけるコスト削減のほか、将来を見据えた長期的な視点を解説しますので、参考にしてみてください。理想の家を、予算を抑えながら実現する方法が見つかるでしょう。
rc住宅をローコスト化する際、費用と品質のバランスを取ることは非常に重要です。なぜなら、費用を抑えすぎて品質を軽視すると、建物の寿命に問題が生じる危険性があるからです。
例えば、建材の選定において、安価な素材を選ぶことで費用の削減はできるでしょう。しかし、その素材が低品質である場合、建物の耐久性や耐震性に影響を及ぼす可能性があります。また、施工の際にも、技術や工事費を削減し過ぎることで、施工の精度や品質が低下してしまうリスクも考えられるのです。
したがって、効率的なコスト管理と品質確保を考慮しながら、バランスをとることが重要になるといえます。
ここでは、RC住宅をローコスト化するための具体的な方法7選を紹介します。これらの方法は、費用を抑えつつも品質を犠牲にすることなく実現が可能です。
RC住宅をローコスト化するための具体的な方法のひとつとして、RC造と木造の混構造住宅にする方法があります。混構造とは、複数の構造を組み合わせたものです。
例えば、以下のケースが挙げられます。
1階部分を鉄筋コンクリート造にすることで、柱のない広いスペースを確保できます。車を横方向に2台もしくは縦方向に3台といった、複数台の駐車スペースがあるガレージに向いているでしょう。
この方法は、RC住宅の頑丈さと耐震性を保ちつつ、木造住宅の軽さとコストの面で、それぞれの強みを活かせます。また、木材の利用によって工期の短縮も期待できる方法です。
RC住宅をローコスト化するには、シンプルな間取りを採用する方法もあります。複雑な間取りであるほどコストは高くなるので、検討してみてください。
具体的には、以下の4つがポイントです。
平面図を正方形に近い家の形状にすることで、RC住宅の建築コストを抑えられます。1階と2階の床面積をほぼ同じにする「総2階建て」が効率的です。凹凸が少ないため、手間や材料が少なく、基礎から外壁、屋根、内装にかかる工事費の縮小が可能です。
上下階の壁位置を各階で変えないことでも、ローコスト化につながります。RC住宅の構造部材は、建築コストの中でも大きな割合を占めるものです。
そのため、上下階の壁位置が各階で変わってしまうと、建物を支える構造部材のバランスが悪くなり、耐震性を確保するための部材が余分に必要となる場合があるのです。
RC住宅で3階建てにする場合は、階段位置を上下階で合わせましょう。階段位置を、1階から2階と2階から3階で変えるのは効率的とはいえません。 階段位置は、全てそろえることで余分なスペースとかかるコストの削減ができるからです。
階段は、1階あたり約1坪(畳2枚)の広さが必要となります。階段位置が変われば、さらに約1坪分増えるため、できる限り上下階で合わせると効率的です。
給排水設備工事を必要とする水回りは、近くに配置することでコスト削減になります。水周りが離れていると、給水管や排水管を余分に施工しなければなりません。
特に、各階に水回りを分散させてしまうと、配管が複雑化するため工数がかかります。それによって工賃が増え、よりコストがかかるのです。
スペースを有効活用して、ローコスト化する方法もあります。例えば、壁や廊下を最小限にする考え方です。廊下はスペースを占有するだけでなく、建物のコストを上げる要因となります。壁がなくなれば、コストカットできるうえに、広々とした空間が実現できて一石二鳥です。
例えば、部屋の一角をキッチンスペースを設置し、残りをリビングダイニングエリアとして活用します。キッチンをコンパクトにできれば、さらに建築コストの削減が可能です。
ただし、壁を減らすことで収納が不足するかもしれません。その際は、壁面や階段下などのスペースを活用して収納力をアップさせましょう。新たな床面積を増やさないため、コストを抑えながら収納を確保できます。
部屋ごとに、内装のデザインをこだわりたいと考える人は少なくありません。一方でRC住宅の建材の種類を統一する場合、同じ建材を大量に購入でき、その分安く仕入れができるメリットがあります。
床はすべて同じフローリング、壁をコンクリート打ちっぱなしにする、もしくは同じクロスを使用するとコストの削減に有効な手段です。建材の種類を統一できれば、材料費の削減と手間も効率化し施工費も抑えられるでしょう。
注文住宅では、建築会社によって設備の仕様が決められているのが一般的です。標準仕様と呼ばれるもので、それ以外の仕様はオプションとなり追加費用がかかります。すべての選択肢で標準仕様を選択すると、建築会社が提示する価格で家を建てられるのです。
標準仕様をさらにグレードダウンできますが、最低限の機能しか備えていない設備は快適性に欠けるでしょう。設備のグレードは標準仕様を基本とし、「便利だけどなくても困らない」「もっとシンプルでいい」と感じる機能があれば、安価なものを検討するとコストダウンにつながります。
RC住宅のローコスト化は、初期費用を抑える方法ばかりではありません。入居後の暮らしにも目を向けましょう。
コンクリートは外気の影響を受けやすいため、適切な断熱材や高性能な窓の施工が必要です。それによって夏は涼しく冬は暖かいRC住宅が実現できます。さらに、冷暖房機器の使用量が少なくなり電気代を節約できます。太陽光パネルを導入することで、電気代の削減ばかりか売電での収益も可能です。
たとえ初期費用がかかったとしても、長期的なランニングコストを見据えた設備を選ぶことで、ローコストで快適な住まいになるといえます。
RC住宅のローコスト化を図るためには、複数社の建築プランを比較しましょう。建築会社ごとに独自の施工方法や使用する材料に違いがあり、コストに大きく影響するからです。
建築プランの作成を依頼する際には、予算と要望を伝えてください。RC住宅の施工実績が豊富な会社は提案力がありますから、複数の建築プランを比較することで、効果的なコスト削減策を見つけられるはずです。
ここからは、RC住宅をローコスト化するために、押さえておきたいポイントを解説します。事前に把握できれば、納得のいく家づくりができるでしょう。
RC住宅の建築には、建物価格以外にも土地代や様々な工事費、諸経費など費用が発生します。また、オプション追加やグレードアップなど、さまざまな希望がでてくる可能性も見込まなければなりません。
家づくりで後悔しないためにも、予算に余裕をもたせながら、出費に備えた計画を立てることが大切です。
RC住宅の建築において、利用できる補助金制度や税制について調べておきましょう。
国や自治体が実施している補助金のなかで、申請要件に該当するかどうかをチェックしてみてください。
なお、国による新築住宅への補助金には、以下のような制度があります。
また、一定の条件を満たしたうえで住宅ローンを組んだ場合、住宅ローン控除が受けられます。
住宅ローン控除の適用を受けるには、入居した年の翌年の2月16日~3月15日に確定申告をおこないましょう。
参照:No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁/住宅税制|国土交通省
RC住宅の建築費が高いとはいえ、コスト削減ばかりを追求するのは避けるべきです。家は単に住むだけの場所ではなく、安全性や快適な暮らしを守る役割も担います。
なぜRC住宅を選んだのか、どのような暮らしを実現したいのかを問い直してみてください。その上で家族の要望を整理し、叶えたい項目に優先順位をつけて予算との兼ね合いを検討しましょう。
RC住宅をローコスト化する際には、信頼できる建築会社に施工を依頼することが重要です。
信頼できる建築会社は、以下の項目をチェックしましょう。
建築会社の施工実績はホームページで確認できるので、理想像に近い施工例があれば、積極的にコンタクトをとってみましょう。多様なニーズに合わせた提案が受けられる可能性が高まります。
RC住宅のローコスト化には、専門知識がなければ判断できないケースも少なくありません。家づくりの初心者にとって、カタログや住宅展示場などで情報収集を進めるのは難しいものです。
建築のプロに相談し、サポートを受けることをおすすめします。どこをコストカットすべきか、もしくは予算をかけなければならないかなど、最適な計画や設計を提案してもらえるでしょう。
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費用と品質のバランスに気を配って注意点を抑えれば、RC住宅のローコスト化を実現できます。ただし、性能面については専門的な知識が必要なので、建築の知識をもつ専門家への相談をおすすめします。
専門家の意見を聞いてみたい、どの会社を選ぶべきか悩んでいるという方は、 sumuzuを活用しながら効率よく家づくりを進めてみてはいかがでしょうか。