渡辺知哉
設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。
この記事の監修者
渡辺知哉
設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。
注文住宅は、建築会社選びが重要です。建築会社の種類は大きく分けて、「ハウスメーカー」「工務店」「設計事務所(建築家)」があります。それぞれの特徴を把握して、理想となる家づくりをかなえられる建築会社を選びましょう。
この記事では、注文住宅を建てる会社を一覧で比較し、ハウスメーカーや工務店、設計事務所の特徴を解説します。また、建築会社選びに迷ったときの対処法も紹介しますので、取り組めるところから検討してみてください。
ここでは、ハウスメーカー、工務店、設計事務所(建築家)の特徴とメリット・デメリットを一覧で比較しています。
建築会社の種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
ハウスメーカー | 多くが全国規模の大企業が占める 基本プランにより規格化されている | 品質に一定の安定感がある 効率化が図られているため工期が短い アフターサービス・保証が充実している | 設計の自由度が低め コストが比較的高い |
工務店 | ハウスメーカーに比べて展開している規模が小さめ 地域密着型が多く気候風土を理解している | 規格化されておらず、自由度が高い 建築会社の中でコストが安くなる傾向にある | 技術力にばらつきがある ハウスメーカーに比べて工期が長くなりやすい アフターサービス・保証の充実度は工務店ごとに異なる |
設計事務所(建築家) | 外観や内装などのデザインを手掛ける 施工は別途工務店に依頼する アフターサービス・保証は施工した工務店が担う | 設計の自由度やデザイン性が高い 狭小や変形地にも柔軟に対応できる 工期は長くなりやすい | 設計期間が長く家の完成までに時間がかかる 設計コストが割高になる |
以下で、各会社のコスト・品質・工期・アフターサービスや保証を解説します。
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✔ 予算に合ったハウスメーカーを知りたい
✔ 土地探しとハウスメーカー選びを同時並行で進めたい
ハウスメーカーは、複数の基本プランから、希望の外観や間取り、設備とその仕様を選びます。全て思い通りに細かく設計できないため、自由度は低めです。
各ハウスメーカーごとに強みがあり、独自のデザインや機能から選択肢を用意しています。
何もないところからプランを考えるのが難しい方には、大きなメリットといえるでしょう。
ハウスメーカーは、前提として以下の要因により、コストが高めに設定されています。
これらのコストは、企業のブランド力や住宅性能の向上に貢献します。顧客満足度の向上にもつながるため、ハウスメーカーのコストの高さは、一概にデメリットばかりとはいえないでしょう。
また、ハウスメーカーは標準仕様となるものを大量に仕入れ、生産することでコストを削減しているので、仕様の変更にともなって建築費用が高くなります。
ハウスメーカーには、品質に一定の安心感があります。
建築資材の一部を規格化し、現場の施工もマニュアル化されているため、仕上がりのばらつきがほとんど発生しません。
全国どのエリアで建てても一定の水準を保てるよう、あらかじめ綿密に計算されているのです。
また、ハウスメーカーの多くは、自社で量産される住宅を造るときに「型式適合認定」を採用しています。
建築基準法第68条の10により、建築物(の部分)が、「構造耐力、防火・避難など一連の規定に適合すること」をあらかじめ国土交通大臣(指定認定機関が指定されている場合は同機関)が認定。 |
型式適合認定は、あらかじめ工法や資材、それを生産する工場の認可を受けることで、建築確認時の審査を簡略化しています。そのため、一定の品質を保つほかに、工期の短縮にも影響すると考えられるでしょう。
ハウスメーカーでは、建築資材の調達から施工まで効率化が図られているため、工期の目安は3か月~4か月です。また、個々に生じる設計や工法を統一して、スムーズな工事が可能となる工夫がされています。
ただし、ユニット工法やプレハブ工法(木造・鉄骨)といった、工法によっても工期に変動があるので、 各ハウスメーカーへ確認が必要です。
ハウスメーカーは、アフターサービスや保証制度が充実しています。
通常、住宅の品質確保の促進等に関する法律により「10年間長期保証」という 瑕疵担保責任が義務付けられています。
構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分について、引渡から10年間の瑕疵担保責任を義務付けている(短縮不可)。 |
この保証に加えて、長期間の保証システムや無料点検、24時間365日受付サービスなどのサポートが可能です。
大手ハウスメーカーのアフターサービス・保証
ハウスメーカー | アフターサービスの内容 |
住友林業 | 60年保証システム住宅設備10年保証制度60年目まで無料点検コールセンターの設置(24時間365日) |
へーベルハウス | 60年無料点検システム最長60年保証コールセンターの設置(24時間365日) |
セキスイハイム | 60年定期診断を無償最長30年間の長期保証コールセンターの設置(24時間365日) |
工務店は、希望や条件に合わせた自由設計となるため、ハウスメーカーにくらべて自由度の高さが特徴です。地域密着型が多く、限られた地域に根付いた工務店のほか、複数の都道府県にまたがって広く展開しているところもあります。
工務店は、建築会社の中でも以下の要因によって、コストが安くなります。
また、フランチャイズ型工務店の場合、本部が一括で仕入れた建築資材を使って、コストを抑えられるでしょう。
大工仕事の造り付け家具などのオリジナルな室内の仕上げ、自然素材を取り入れた床や壁といった要望を取り入れやすくなります。工務店ごとに得意とするデザインや工法が違うので、事前によく調べておきましょう。
工務店は、建築資材を現場で加工する場合が多く、職人の技術力によって品質にばらつきがあります。匠の技ともいえる高品質が期待できる一方で、満足のいく仕上がりにならないケースがあることも否めません。どのような住宅を手掛けているのか、施工実績を確認しておくと安心です。
ハウスメーカーと同じ規模の住宅を建てた場合、工務店のほうが工期は長めです。自由度の高い家づくりが可能なため、施工までに間取りやデザインなどの決定事項が多くなります。
また、前述のように現場で建築資材を加工するところから始めるのも工期が長くなる要因のひとつです。目安としては、4か月~5か月を見ておくと良いでしょう。
工務店ごとに、アフターサービスや保証の充実度が異なります。地域密着型工務店は、入居後に何らかの不具合があったときに気軽に相談しやすいでしょう。
小さな規模の工務店では倒産のリスクがあり、アフターサービスや保証が受けられなくなります。リスクを回避するためには、契約の前に「住宅完成保証制度」へ加入しているか確認しておきましょう。
設計事務所(建築家)は、法令や予算以外の制約がない完全な自由設計が可能です。注文住宅の間取り、外観、内観のすべてを設計をおこないます。そのため自由度やデザイン性が高く、生活スタイルや変形地といった土地環境を考慮したオリジナルの設計に期待がもてるでしょう。
工法や外装、間取り、設備とその仕様など細部までこだわりを追求する分、設計料は高くなります。設計料とは、建物の設計と監理にかかる費用の総額です。図面を書くだけでなく、設計通りに工事がおこなわれているかをチェックする「監理」も含まれます。
設計料の算出方法は、必ずしも統一されているわけではありません。実績が豊富なベテランの建築家に依頼するほど、コストは高くなる仕組みです。目安としては、工事費の10%~20%となります。
設計事務所に依頼する場合、施工は工務店となり、建て主に代わって品質のチェックをおこないます。仕上がりに不満を抱く可能性は低いでしょう。
ただし、ハウスメーカーのように規格化された住宅を何棟も造りながら不具合を改善するのとは異なり、実際に完成してみないと分からない可能性もあります。
監理と施工管理との違い 監理とは、設計された図面通りに施工されているか、建築士が建築中におこなう確認、検査です。手抜き工事や欠陥を防いで、品質の向上を促します。 施工管理は、設計図面通りの施工から、品質や予算、工期スケジュール、現場の安全、法令順守などの管理です。施工管理者(現場監督)が業務を担います。 |
設計事務所に依頼した場合、設計プランによって異なりますが、工期は長めになります。目安としては5か月~6か月です。1年以上かかるケースも珍しくありません。
要件整理から最終プランまで、正しく認識を共有するためにイメージパースや模型を作成します。その上で、基礎から家具の配置といった詳細な図面を設計するために長めの工期が必要になるのです。
アフターサービスや保証は、施工した工務店が担います。
工務店には10年間の瑕疵保証のほか、住宅瑕疵担保履行法によって資力確保措置(保険加入または供託)が義務付けられています。
資力確保措置とは、
構造耐力上の主要な部分や、雨水の浸入を防止する部分に瑕疵(欠陥)があり、住宅の耐力性能や防水性能を満たしていない場合には、無料補償に対応する制度 |
工務店を決める際には見積り以外にも、アフターサービスや保証制度についても説明を受けるようにしてください。
✔ この記事について、詳しく質問したい
✔ 予算に合ったハウスメーカーを知りたい
✔ 土地探しとハウスメーカー選びを同時並行で進めたい
ここまで、建築会社の特徴を紹介してきました。ハウスメーカーや工務店、設計事務所のどれを選ぶかは、こだわりたいポイントによって異なります。
建築会社選びに迷ったときは、以下の点に着目しましょう。
建築会社選びに迷ったときは、建築費用に充てられる予算を決めましょう。
現在の収入や支出、貯蓄額は、よほどのことがない限り、大きな変動はありません。自己資金とローンで借りる額を確定すると、毎月の返済額は、ある程度予測可能です。
建築費用の予算が決まると、建築会社を予算別に絞り込めるでしょう。
次に、住みたいエリアを確定させてください。予算とともに住みたいエリアを決めると、建築会社の選択肢は絞られてきます。
予算に見合った建築会社をいくつか候補に挙げておき、住みたいエリアに対応していない会社を除くことで、ある程度限定できるでしょう。
それでもなお建築会社を決められない場合は、家づくりに対する要望を再整理しましょう。
家族の要望が多種多様になるのは、決して珍しくはありません。しかし、全ての要望を満たすのは難しいものです。
要望の中で「どうしても叶えたいもの」「できれば叶えたいもの」と優先順位をつけて、再整理することをおすすめします。
注文住宅の建築会社選びに迷ったときは、注文住宅と建築会社に詳しい専門家への相談が近道です。
建築費用や品質、工期、アフターサービスや保証制度などの情報収集から、最適な建築会社を見つけるのは大変な作業です。時間と手間がかかりますし、判断に迷うのは無理もありません。
また、すでに建築会社を絞って住宅展示場を見学したり、カタログを取り寄せたりして情報収集しているものの、選ぶポイントが分からなくなったという方もいらっしゃるでしょう。
そのようなときは、無料の相談窓口を活用するのもひとつの方法です。予算や理想のイメージに合わせて、建築会社選びをサポートしてくれます。
sumuzuは、注文住宅の建築会社を選ぶ際に、様々なご提案が可能です。
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なお、具体的な話は面談が必要ですが、対面のほかオンラインにも対応していますので、お気軽にお問い合わせください。
注文住宅の建築会社には、ハウスメーカーと工務店、設計事務所があります。
自由度を比較すると、以下の通りです。
その他にも、コスト・品質・工期・アフターサービスや保証に違いがあるので、しっかり比較しましょう。
それでも、建築会社選びの決め手に迷ったときは、sumuzuでサポートを受けてみてはいかがでしょうか。中立的な立場で、ご家族に合った建築会社を紹介することも可能なため、お気軽にご相談ください。