この記事の監修者
渡辺知哉
設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。
家族の成長と共に、愛着ある我が家も時には新たな姿へと変わる時が訪れます。
「家の建て替えはいくらかかるのか」という疑問は、多くの家庭にとって大きな関心事です。
この記事では、家の建て替えに必要な費用の相場と、その背後にある多様な要因を徹底的に解説します。さらに、建て替えを検討する際に考慮すべき重要なポイントも詳細に説明。資金計画の立て方から、最適な施工業者の選び方、予期せぬコスト増加を防ぐ方法まで、家の建て替えを成功に導くための実用的な情報を紹介します。
新築、リフォーム、建て替えという用語は、住宅業界ではよく使われますが、これらの言葉の定義を正しく理解していない方は意外にいらっしゃるかもしれません。
ここでは、新築、リフォーム、建て替えについてそれぞれの違いについて説明します。
新築とは、「建築工事が完了してから1年以内の物件」で、「誰も入居していない」状態の住宅を指します。簡単に言えば、新築住宅は真新しい家です。
「建築工事が完了してから1年以内」は、家が建てられてからまだ間もないことを意味します。建築から1年以内の家は、新しい材料、最新の建築基準、そして最新の設計で建てられている可能性が高いです。
「誰も入居していない物件」は、新築住宅にはまだ誰も住んでいないため、使用による摩耗や損傷がなく、すべてが新品の状態です。新築住宅を購入すると、最初から自分たちのスタイルで家をカスタマイズし、使い始めることができます。
一方、新築物件は、誰かが1日でも入居すると、すぐに中古物件として扱われるわけではありません。未入居のままでも、1年以上が経過すると、中古物件として扱われることになります。この期間が経過すると、建物や設備に少なからず劣化が生じる可能性があるため、中古物件としての価値が評価されるのです。
リフォームとは、既存の建物、特に住宅の老朽化した部分を修理または改善し、新築に近い状態に回復させる作業のことです。リフォームの目的は、家を現代の基準やニーズに合わせて更新することにあります。
「リフォーム」という言葉は、英語の「reform（改良、改革）」が由来となっており、和製英語として広まっています。
リフォームの主な施工内容には、クロスや床の張り替えなどの小規模な工事や、設備の取り替え、外壁の塗り替えなどが含まれます。これらの工事によって、住宅の機能や美観を向上させることができます。
リフォームの大きなメリットは、家全体を新築するよりもコストが低いこと、そして家の歴史や個性を保ちながら現代的な快適さを加えることができる点です。しかし、リフォームには計画的なアプローチが必要で、どの部分をどの程度改修するか、予算はどれくらいか、期間はどのくらい必要かなど、多くの要素を検討する必要があります。また、専門の業者を選ぶことも、成功するリフォームの鍵となります。
建て替えとは、既存の建物を完全に取り壊し、その土地に新たな建物を建設することです。これは、現在の建物が大きく老朽化している場合や、完全に異なるスタイルや構造の家を建てたいときに行われます。
建て替えでは、古い建物を根本から解体します。これには、家全体を物理的に取り除く作業が含まれ、土地が建築のための空き地として再利用可能になります。• 既存の建物を取り除いた後、新しい設計に基づいて新たな建物を建設します。このプロセスでは、最新の建築基準、デザインの嗜好、住宅技術が反映されるため、基本的に新築の建設と同じです。
建て替えを行うためには、建築基準法で定められた条件を満たす必要があります。具体的には、「幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接した土地」であることが求められます。この条件が満たされることにより、安全かつ適切な建物を建てることができます。
建て替えのメリットは、既存の建物の制約から完全に解放され、自分の希望や必要に完全に合った新しい家を建てることができる点です。しかし、建て替えは高コストで時間もかかるため、計画的なアプローチと充分な資金計画が必要です。
住宅の建て替えには、主に次の3つの費用がかかります。
解体費用とは、建物を解体する際に発生する費用のことです。建物を解体するためには、専門の業者を雇う必要があります。
解体費用には、建物を解体するための労働費、機械や設備の使用料、廃材の運搬と処分費用などが含まれます。建物の構造や坪数、立地条件によって解体費用は異なることがあります。また、解体作業に伴う安全対策や周辺環境への配慮などのコストも考慮が必要です。
解体費用は、解体する建物の大きさ、構造、使用されている材料、立地条件（狭い場所での作業が必要かどうかなど）、廃材の種類や量などによって変わります。また、地域による処分費用の違いも影響します。
一般的に、解体費用は総工費の約3割～4割に相当すると言われています。したがって、建物を解体する際には、解体費用の見積もりをしっかりと行うことが重要です。
建て替えにおける「建築費用」とは、新しい建物を建設するために必要な費用のことです。これには、材料費、労働費、設計費、その他建設に必要な全てのコストが含まれます。
築費用には、以下のような多くの要素が含まれます。
建築費用は、建設する建物の大きさ、デザインの複雑さ、使用される材料の種類や品質、地域の建設市場の状況などによって異なります。
建築費用は全体の予算計画で最も大きな部分を占めることが多いため、慎重な計画が必要です。予算内でプロジェクトを完了させるためには、建設コストを詳細に見積もり、予算の範囲内で計画を立てることが重要です。
建て替えにかかる「諸費用」とは、建築費用や解体費用以外に必要となる、様々な付随的な費用のことを指します。これには、行政手数料、税金、保険料などが含まれます。
これらの諸費用は、プロジェクトの規模や地域、建て替えの期間、個別の要件によって異なります。そのため、建築費用同様、計画段階でこれらを考慮することが重要です。また、諸費用は建て替えのトータルコストの中で見落とされがちですが、プロジェクト全体の費用に大きく影響を与える可能性があるため、最初の予算計画に含めていきましょう。
諸費用は、建築工事費用の5～7％程度が一般的な目安です。
住宅の建て替え費用は、解体工事費用、建築工事費用、諸費用の3つで構成されています。費用総額の相場は約1,500万円から4,000万円です。
解体費用は、解体する建物の大きさ（平方メートル数や階数）や構造（木造、鉄骨造、RC造など）、解体作業の難易度（狭小地など特殊な環境での作業）、地域によって異なる廃材処分費用などに影響を受けます。
一般的に、木造は3～5万円/坪、鉄骨造は5～7万円/坪、そしてRC（鉄筋コンクリート）造は6～8万円/坪を目安としています。
建築構造の選択は、予算や建物の用途に応じて行われます。木造は軽量で施工が比較的容易ですが、耐震性や耐火性には制限があります。一方、鉄骨造とRC造は強度があり、耐震性に優れていますが、施工には専門的な知識や技術が必要です。
建物の設計や建築費用に関しては、建築士や専門家との相談が重要です。
国土交通省の調査によると、2022年度の注文住宅の平均建築費用は3,717万円、延床面積は122.8㎡（約37坪）です。この調査結果によれば、注文住宅の建築費用は相当の金額がかかることがわかります。建築費用は、建築する建物の大きさ（平米数）、デザインの複雑さ、使用する材料の種類や品質、建設地域の市場価格などによって変動します。
また、この調査では1坪あたりの建築費用が約100万円という結果も示されています。これは、40坪の注文住宅を建てる場合には約4,000万円が必要となることを意味します。このように、注文住宅の建築費用は広い敷地を必要とし、十分な予算が必要です。
しかし、これはあくまで大まかな目安であり、具体的な設計や仕様によって費用は大きく異なります。
諸費用の相場とは、建て替えに伴って必要となる行政手数料、税金、保険料などの追加費用の平均的な金額です。
一般的に、土地代・建物代の建築費を合計した額の5～25%程度が建築費とされています。この建築費は、建築物の設計や構造によっても異なる場合があります。また、施工会社によっても建築費にばらつきが生じることがあります。
施工会社の技術力や経験、使用する材料などによって、建築費が大きく変動することがあります。そのため、建築プロジェクトを進める際には、複数の施工会社から見積もりを取り、費用面だけでなく、品質やスケジュール管理なども考慮して適切な施工会社を選定することが重要です。
ここからは建て替え費用を節約するポイントをご紹介いたします。
不要な家財道具を処分することで、解体工事の費用を抑えることが可能です。
家財道具を処分する方法には、寄付、リサイクル、フリーマーケットやオンライン販売などがあります。これらの方法を利用することで、不要なアイテムを有効活用し、場合によっては少額の収入を得ることも可能です。
また、解体工事の前に不要な物を整理し、余分な作業や費用を削減することもできます。不要な家財道具の処分は、解体工事において重要なポイントです。
複数の業者から見積もりを取ることで、最適な価格を見つけることができるだけでなく、競争の激しい市場で優れたサービスを提供している業者を見つけることも可能です。さらに、異なる業者からの見積もりを比較することで、品質や納期についてもより詳細に検討することができます。
これにより、最終的にはより満足のいく取引を行うことができます。また、見積もりの取得は、予算の範囲内で最大の価値を提供する業者を見つけるための重要な手段です。素早く正確な見積もりを取得するためには、明確な要件や期待値を伝えることが重要です。最終的に、見積もりの取得は、賢明な決断をする上で不可欠なステップです。
新築の工法を選ぶことで、建築費用を抑えることが可能です。例えば、省エネ性の高い材料を使用することで、長期的なランニングコストを削減できます。
また、耐震性の向上や耐久性の強化も考慮することができ、さらに施工期間の短縮やメンテナンスのしやすさも検討できます。これにより、より経済的で快適な住宅を実現することが可能です。
間取りをよりシンプルにすることで、建築の難易度を大幅に下げ、建築費用を効果的に抑えることができます。
また、シンプルな間取りは、建物の機能性と使い勝手を向上させることができます。シンプルな間取りはデザインの柔軟性を高め、将来の変更や拡張の容易さも提供します。これにより、建物の長期的な価値と利用価値が向上します。
工事の必要性や不要性を適切に判断することが重要です。必要な工事には、建物の安全性や機能性を確保するためのものがあります。
一方、不要な工事は、予算を抑えるために省くことができますが、建物の品質や快適性に影響を及ぼす可能性もあります。工事の適切な見極めと判断は、費用削減と建物の良好な状態を両立させるために重要です。
利用可能な給付金や補助金、減税措置を活用することで、費用を抑えることができます。
具体的な補助金の例としては、以下が挙げられます。
これらの補助金は、地域や条件によって異なる場合がありますので、具体的な詳細や申請方法については、該当する都道府県や市町村のホームページなどで確認することをおすすめします。
解体工事と建築工事を同じ業者に依頼することで、費用を抑えるだけでなく、効率的なプロジェクト管理も可能となります。また、一つの業者に依頼することで、コミュニケーションの手間も省けます。
さらに、同じ業者による一貫した作業は、スムーズな工事進行を保証し、品質の一貫性も確保できます。このように、解体工事と建築工事を同じ業者に依頼することは、費用だけでなく、効率性と品質の向上にもつながる利点があります。
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この記事では、家の建て替えにかかる費用や検討すべきポイントについて詳しく解説してきました。新築、リフォーム、建て替えの定義や、それぞれにかかる費用の相場について紹介しました。
また、建て替えの費用を節約するためのポイントも提示しています。不要な家財道具の処分や相見積もりの取得、シンプルな間取りの選択などが節約のポイントとなります。
さらに、給付金や補助金、減税措置の活用についても言及しています。これらを活用することで、費用を抑えることが可能です。これから、家の建て替えを計画されているという方は、sumuzu（スムーズ）に一度ご相談してください。
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