注文住宅をローコストに建築したくても、「ローコスト住宅はよくない」という情報を見聞きして、迷っている方もいるでしょう。

ローコスト住宅は大手ハウスメーカーの商品と比較すると間取りの自由度が低いメーカーは多いものの、こだわりをかなえられるハウスメーカーを選べば、満足いく家づくりが十分できます。

本記事では、ローコスト住宅を建てる際のメリットとデメリット、ハウスメーカーを選ぶ際のポイントを解説します。ローコストで建築できれば、マイホームの購入後も家計にゆとりのある生活を送れるはずです。

おすすめのハウスメーカーも紹介しているので、ハウスメーカーへ問い合わせをする際の参考に本記事をご覧ください。

ローコスト(1000万円以下)で注文住宅は建築できる?

ローコスト住宅とは、一般的な建築費用よりも価格を抑えて建てられる家を指します。土地柄やハウスメーカーによっては、1,000万円以下の超ローコストで建築できる場合もあります。

ローコスト系ハウスメーカーの価格帯は、30坪2階建て住宅で1,300万円〜1,900万円ほど(坪単価43万円以上)です。

したがって、建築費用1,000万円という価格は、ローコスト住宅の平均価格帯よりも低く、坪数の小さい住宅を建築する際の費用と考えたほうがよいでしょう。

近年では材料費の高騰などもあり、1,000万円以下で住宅を建築することはそもそも難しいと考えるほうが無難です。

それでもミドルコストの住宅(一般的には1,900万〜2,300万円ほどの家)よりも価格が抑えられるため、費用を抑えてマイホームを購入したい方には、ローコスト住宅も検討の余地があるということです。

ローコスト住宅のメリット

価格を抑えてマイホームを建築できる点が、ローコスト住宅の大きな魅力です。ローコスト住宅を選択して得られるメリット6つを解説していきます。

  1. 月々の返済額を抑えられる
  2. 住宅ローンの借入がしやすい
  3. ミドルコストのメーカーより床面積を広くできる
  4. 規格が決まっている場合は打ち合わせの負担を軽減できる
  5. こだわりたい部分にお金をかけられる
  6. 口コミで集客しているメーカーはより信頼できる

1.月々の返済額を抑えられる

ローコスト住宅の最大のメリットは、月々の返済額を抑えられる点です。マイホームの購入において、月々の返済額を抑える方法は次の2通りです。

①ローコストで建築する。

②頭金を多く支払い、住宅ローンに充てる金額を抑える。

月々の返済額を抑えられるほどの頭金の貯金には、かなりの時間を要します。仮に1,900万円の物件価格で頭金500万円が用意できる場合、頭金0円と比較すると月々の返済額は約14,000円安くなります。

しかし、マイホーム購入の頭金に充てるために、500万円を貯金するのは簡単なことではありません。

月々の返済額を抑えてマイホームを購入したい方には、ローコスト住宅は選択肢のひとつとなるでしょう。返済額を抑えられれば、その分を教育費用や老後資金に充てて、将来のための資産を増やすことも可能です。

2.住宅ローンの借入がしやすい

建築コスト自体を抑えられるローコスト住宅では、住宅ローンの借入金額も抑えられるため金融機関の審査に通りやすい傾向にあります。

一般的に、住宅ローンの借入可能額の目安は、年収の7倍程度と言われています。しかし、実際に借入できる金額は年収のほかに勤続年数や他のローンの返済状況などを加味して決められるため、必ずしも希望金額の借入ができるとはかぎりません。

ローコスト住宅であれば、住宅ローンの借入額を少なくできるため、希望金額を借入できる可能性が高くなります。また、借入額を抑えられた分を貯金や趣味など別の用途で使ったり、返済期間を短くしたりと、日々の生活やライフプランに余裕が持てるのもローコスト住宅のメリットです。

3.ミドルコストのメーカーより床面積を広くできる

同じ金額でローコスト住宅とミドルコスト住宅を建築する際は、ローコスト住宅のほうが床面積を広くできます。少しでも広いスペースを確保したい大家族や、敷地面積自体が狭く床面積を広くとりたい方には、ローコスト住宅の採用は選択肢のひとつです。

ここで、ローコスト住宅とミドルコストの住宅の建築費用や坪単価を比較してみましょう。同じ30坪2階建て住宅を建築する場合、ローコスト帯のハウスメーカーの参考価格や坪単価は以下の通りです。

参考価格坪単価
ローコスト帯ハウスメーカー1,300万円~1,900万円43万円以上
ミドルコスト帯ハウスメーカー1,900万円~2,500万円63万円以上

仮に、1,900万円を予算としてローコスト住宅とミドルコスト住宅をそれぞれ建築する場合、床面積は次の計算で算出できます。

ローコスト住宅

1,900万円÷43万円/坪≒44坪

ミドルコスト住宅

1,900万円÷63万円/坪≒30坪

同じ予算でもローコスト住宅とミドルコスト住宅では、14坪の差が生まれます。14坪は約28畳なので、LDKを大きくしたり、部屋数を増やしたりと十分に有効活用できます。

決められた予算内で、できるだけ広い家を建築したい方にはローコスト住宅が向いているといえます。

4.規格が決まっている場合は打ち合わせの負担を軽減できる

ローコスト帯のハウスメーカーのなかには、間取りや仕様が限定されており、規格が決まっているメーカーもあります。自分たちの希望の間取りにしたい家庭では、ハウスメーカーの選択肢が狭まるため、ローコスト住宅の建築は向いているとは言い難いです。

しかし、間取りや仕様の自由度にこだわらない方には、建築費用を抑えられるローコスト住宅は大きなメリットを感じられるでしょう。

規格が決まっているローコスト住宅では、事前に準備された間取りや仕様から選択をするため、完全自由設計の注文住宅と比較すると、少ない打ち合わせ回数で着工できます。早めにマイホームに引っ越したい方や子育て・仕事で忙しい方にとっては嬉しいポイントです。

5.こだわりたい部分にお金をかけられる

こだわりたい部分に絞ってお金をかけられる点も、ローコスト住宅のメリットです。

ローコスト住宅では、衛生機器、浴槽、システムキッチン、給湯器などはグレードの低い商品が標準仕様となっている場合がほとんどです。

ミドルコスト帯以上の価格帯で住宅を建築する場合、グレードがやや高い機器が標準仕様となっている一方で、グレードを下げた場合でも大きな減額にはならないケースも少なくありません。

ローコスト住宅ではこだわりがないポイントではシンプルな標準仕様のままとして、こだわりたいポイントだけをグレードアップすることも可能です。

ローコスト住宅を選べば、建築費用の節約となるだけでなく、浮いた分の予算をこだわりたいポイントに集中して充てられます。

6.口コミで集客しているメーカーはより信頼できる

ローコストでマイホームの建築ができるハウスメーカーでは、広告費を節約している企業も多いです。広告で宣伝をせずとも集客できて経営が成り立っている背景には、口コミによる宣伝効果があります。

口コミでの集客は、広告の打ち出しとは異なり短期的な集客は見込めず、集客できるようになるまで長期的な時間がかかります。しかし、裏を返せば短期的な集客のために多額の広告費を使うよりも、よりローコストでお客様の家を建築したいという企業側の堅実な姿勢の表れともいえます。

また、口コミでは自分がおすすめだと思う商品しか他人には勧めません。口コミでの集客をしている企業は、それだけ自社商品に自信があるのです。

広告での集客は行わず、口コミで集客をしている企業は、経営姿勢が堅実であることが多く、自社商品に自信があるため、信頼度が高いメーカーです。

ローコスト住宅のデメリット

ローコスト住宅を選ぶ場合、デメリットも把握しておく必要があります。ローコスト住宅のデメリット4つをご紹介します。

  1. 間取りの自由度が低いケースも
  2. 耐震・耐熱・遮音性が低い場合がある
  3. メンテナンス費用が高くつく傾向にある
  4. オプションで高額になるケースも

事前にデメリットを把握しておくことで対策ができるため、入居後の不満を解消できます。快適なローコスト住宅を建築ができるように、デメリットを押さえておきましょう。

1.間取りの自由度が低いケースも

ローコスト帯のハウスメーカーでは間取りの自由度が低く、自由設計と銘打っているメーカーでも、完全自由設計ではなく一部制約があるメーカーもあります。

採用したい間取りがある場合、ローコスト帯のハウスメーカーでは希望をかなえられない可能性があるため、確認が必要です。

採用したい間取りがある場合には、契約前に「間取りの自由度がどのくらいなのか」「希望の間取りでの設計が可能なのか」を確認する必要があります。

2.耐震・耐熱・遮音性が低い場合がある

ローコスト住宅を選ぶ際に、「耐震性や耐熱性、遮音性などの機能面で不便なく安心して生活できるのか」が不安材料となる方もいるでしょう。

耐震性は建築基準法に則って建築されているため、ローコスト住宅だからといって耐震性に劣るわけありません。建築基準法では、「建物が地震でどのくらい耐えられるのか」を示す耐震等級を指標として耐震性を決定しています。

震度6~7程度で倒壊しない建物が耐震等級1に該当し、より丈夫な建物になるほど耐震等級の数値が大きくなります。近年では、ほとんどの新築住宅が耐震等級2に該当しており、その傾向はローコスト住宅でも同様です。

また、せっかく建てるマイホームでは快適に生活したいと考えるのが一般的で、断熱性や遮音性も重要な点になります。

断熱性や気密性の高さを売りにしている大手ハウスメーカーの家の構造と比較すると、ローコスト住宅はシンプルな構造になっています。とはいえ、地域にあった断熱材を使用し、施主が入居した際に快適に暮らせるように配慮をして施工しているメーカーや工務店はたくさんあります。

入居後に快適に暮らせる家ができるよう、ハウスメーカーに確認したり、居住宅見学会で施主に住環境を訊いてみたりして、情報を収集することが重要となります。

3.メンテナンス費用が高くつく傾向にある

ローコスト帯のハウスメーカーのなかには、屋根や外壁などに安価な建材を標準仕様にすることで、ローコストに建築できるという仕組みをとっているメーカーもあります。

安価な建材は劣化が早く、入居から10年ほどでメンテナンスが必要となるケースもあり、大手ハウスメーカーの家よりもメンテナンス頻度も高くなります。

メンテナンス頻度や金額を考慮すると、「ローコスト住宅はやめたほうがよいのではないか」と考える方もいるでしょう。たしかに、30年間住んだ際のトータルのメンテナンス費用は、大手ハウスメーカーと比較すると高額になります。

しかし、大手ハウスメーカーでもメンテナンスは必要ですし、購入時の価格が1,000万円以上高くなるメーカーもあるため、購入時の金額+メンテナンス費用で計算した場合でも、ローコスト住宅のほうが安く住み続けられる結果となります。

ただし、メンテナンス費用を計画的に貯金して、長く安心して暮らせるように心がける必要はあるでしょう。

4.オプションで高額になるケースも

ローコスト帯ハウスメーカーは、標準仕様をグレードの低いものとしているメーカーも多く、初回の見積もり金額は予算内であってもオプションを追加していくことで最終的にかなり高額となるケースもあります。

ローコストで注文住宅を建築する場合は、こだわりを持ちすぎないことも予算内で注文住宅を建築するポイントです。こだわりたい箇所の優先順位を決めて、予算内でグレードアップのオプションを選択すれば、予算も含め自分たちの理想通りの家が建てられるでしょう。

こだわりたいポイントが多く、優先順位づけやポイントを絞り込めない方はミドルコスト帯のハウスメーカーでの建築を検討してみるのもひとつの手段です。

ローコストのハウスメーカーを選ぶ際のポイント

ローコストのハウスメーカーを選ぶ際は、次の5つのポイントを意識してみてください。

  1. 見積もり金額が予算内か
  2. 生活しやすい間取り・広さか
  3. こだわりポイントを実現できるか
  4. アフターサービスの内容
  5. 建築実績

ローコストとはいえ、マイホームの購入は1,000万円を超える大きな買い物です。後悔せずに自分にぴったりなハウスメーカーを選ぶことは、マイホームの建築において非常に大切です。

1.見積もり金額が予算内か

見積金額が予算内であることは、マイホームの購入に限らず重要なポイントです。こだわりたいポイントがあれば、見積金額にオプション分が上乗せとなるので、予算内ぎりぎりの見積金額よりもやや低い金額となっている方がベターです。

また、希望の予算内で建築できるハウスメーカーがない場合は、かなえたいことと予算に乖離がある可能性が高いです。こだわりたいポイントを減らしたり、返済可能額のなかで予算を上げるなど再検討する必要があります。

2.生活しやすい間取り・広さか

ローコスト帯ハウスメーカーでは、ハウスメーカーが事前に決めている間取りにそって決める規格住宅を採用している場合もあります。建築費用は抑えられますが、自分たち好みの住宅を造ることは難しいでしょう。

自分たちにとって便利な間取りのマイホームではなく、「不便なく生活できるマイホームなのか」を基準にメーカーの提示する内容を吟味するようにしてくださいね。

3.こだわりポイントを実現できるか

実現したいこだわりポイントがあるために、注文住宅を建築したい人は多くいます。ハウスメーカーを決定する前に、「こだわりたいポイント」を洗い出して実現できるのかを事前にチェックをする必要があります。

そして、必ず契約前に叶えたいことは伝え、実現できるのかを確認してから契約するようにしてください。

4.アフターサービスの内容

ローコスト住宅を購入する際、アフターサービスの内容の確認も重要なポイントです。

ローコスト帯ハウスメーカーは、安く注文住宅を購入できるのが最大の魅力です。一方で、アフターサービスには大手ハウスメーカーよりも注力していないメーカーがあるのも実情です。

とはいえ、大手ハウスメーカーと同等のサービス内容ではなくても、アフターサービスを提供しているメーカーもあるので、契約前に内容や保証年数をチェックしておくようにしてください。

5.建築実績

過去にどんな家を建築しているのか、建築実績もチェックするようにしてください。

ハウスメーカーによって、得意なことや対応できることは異なります。ローコストでマイホームがほしいからと言って、金額ばかりに注目していては理想の家は建てられません。

ローコストで自分の理想の家を建てるには、各ハウスメーカーの建築実績をチェックしてみてください。建築実績のなかで、自分の気に入った外構・間取りの住宅があれば、ぜひメーカーに問い合わせをしてみてください。

また、口コミを参考にすることもおすすめです。口コミでは、ハウスメーカーで家を購入した施主のリアルな声が聴けるので、ぜひハウスメーカー選びの参考にしてください。

ローコスト住宅を建てるならおすすめしたいメーカー3選

ローコスト住宅を建てる場合におすすめしたいハウスメーカーをご紹介します。

  • BLISS
  • 一建設
  • タマホーム

各ハウスメーカーの特徴やおすすめポイントを解説しているため、ぜひ自分にぴったりなハウスメーカーを見つけてみてください。

BLISS

BLISSは東京都内で狭小住宅に特化したハウスメーカーです。

BLISSの最大の魅力は、一般的なローコスト住宅よりもワンランク上の標準仕様で、スタイリッシュな暮らしがかなうことでしょう。

耐震等級3に該当する耐震性や、気密性の高い空間に全館空調システムがついているなど快適に生活することにこだわりたい方に向いています。

少々狭くても快適に暮らしたい方や、土地が狭く狭小住宅の建築となる方にはBLISSでの家づくりがおすすめです。

一建設

一建設では、本当に必要な機能だけを備えた家づくりをしています。キッチンや浴室などはシンプルな機能のものを標準仕様としていますが、こだわりたい部分は豊富な設備機器やパーツをカスタマイズして、自分好みの家づくりができます。

また、建てた後も、快適に暮らせるように自社内でアフターサービスまでをワンストップで請け負っています。

メンテナンスをしやすい部材を使ったり、メンテナンス費用を抑える工夫をしたりと購入後のサポートも手厚いため、しっかりとしたアフターフォローを希望する方におすすめのメーカーです。

タマホーム

大手ハウスメーカーのタマホームでも、ローコスト住宅の建築が可能です。

タマホームの商品のなかでも、「木麗(きれい)な家」は木のぬくもりを感じられるマイホームをローコストで建築できます。日本の風土に合わせた、一般的な木造住宅の建築法(木造軸組在来工法)を採用している点も安心です。

また、自由設計で間取りを決められるため、家族のライフスタイルに合った家で生活したい方にはタマホームがぴったりです。

ローコスト住宅を建てるなら工務店の選択もあり

ローコスト住宅を建てたければ、地元工務店も選択肢のひとつです。

地元工務店では、広告宣伝費をかけていなかったり、住宅展示場を持たないことでモデルハウスの維持費が不要だったりとハウスメーカーよりも割安でマイホームを建築できるケースも多いです。

ハウスメーカーでは、予算内で希望の間取りで建築が難しい場合は、地元工務店を選択肢に入れ、相談してみるのがおすすめです。

後悔しない理想の家づくりをするにはsumuzuへ

家づくりをする際、自分たちのリサーチでは限界があります。後悔しない理想の家づくりをするためには、プロのコーディネーターがいるsumuzuにご相談してみてはいかがでしょうか。

土地探しからワンストップで家づくりが可能

sumuzuでは世田谷区・目黒区・大田区・品川区などの城南エリアで注文住宅を建築したい方が、土地探しからワンストップでマイホームの建築が可能です。

希望のエリアでの土地探し後は、希望条件をヒアリングしたうえでコーディネーターがお客様にぴったりの建築会社をピックアップします。

sumuzuでは厳格な審査を通過したハウスメーカーや工務店と提携しているので、安心して家づくりをお任せください。

最後に

注文住宅をローコストで建築する際のメリットやデメリット、おすすめのハウスメーカーをご紹介しました。ローコスト住宅のメリットだけでなく、デメリットも把握しておきましょう。デメリットを解消した家づくりをすれば、ローコスト住宅でも不便さを感じずに安全に住めます。また、ローコストでのマイホーム購入は、家計にも大きなゆとりを作るでしょう。sumuzuでは、ローコスト帯ハウスメーカーのご提案もできるので、ぜひお問い合わせをしてみてください。