東京の地価は二極化からカオスへ。土地選びはどうする?
目 次
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1.はじめに
昨今、人口減少や少子高齢化などを背景に東京の一極集中化が進んでいると言われていますが、地価も都市部と地方で二極化が進んでいるなどとよく耳にします。また、都市部以外では人口減少による空き家問題が深刻化しつつあることなどもよく耳にされるかと思います。それでは、一極集中といわれている東京都内ではどのような推移を示しているでしょうか?今回は、東京都内の地価をミクロ的に観察してみました。
2.東京23区の地価推移
1980年からの東京23区の土地㎡単価推移を見てみると、特にインパクトがあるのが1986年~1991年のバブル景気時代の異常なまでの地価高騰です。それに比べると、現在は地価は低い水準にあり、且つ安定傾向にあります。ここ10年の傾向としては、2008年のリーマンショック以降の地価は下落傾向を示していましたが、2013年以降は緩やかな上昇傾向にあります。それでも東京一極集中と言われる割には23区平均で見た場合には、かつてのバブル景気時代と比べて地価が急激に上昇しているということではないのがデータで読み取れます。
グラフ1「東京23区の土地㎡単価推移」
※データ「東京都基準地価格 区市町村別用途別 平均価格の推移」
3.2000年以降の東京都内のエリア別の地価はどう推移しているか?
東京23区平均での地価は緩やかな上昇傾向を示していますが、東京都内でもエリアによって地価はどのような変動傾向を示しているでしょうか。2000年以降の都心、城東、城西、城南、城北、東京市部それぞれのエリアの地価変動傾向をみてみました。
グラフ2「東京23区内エリア別 2000年以降の地価推移」
※データ「東京都基準地価格 区市町村別用途別 平均価格の推移」
地価推移をマクロ視点で観察すると、中央区(都心エリア)は地価が高騰傾向にある一方で、八王子市(東京市部)では地価が下落しており、都心部と郊外でいわゆる二極化が進んでいると言えます。それでは、都心エリアを除く東京23区の地価をミクロ的視点で見るとどうでしょうか。データを見ると比較的安定している傾向にあるもののエリアによって変動に傾向が見られます。例えば、江東区は湾岸エリアの開発により一時的に地価が高騰した後も地価の上昇傾向は継続しており、北区や練馬区などは緩やかに地価が上昇しているものの2000年とほぼ同水準の地価を示しています。
一方で、世田谷区のように、社会情勢や景気変動があっても地価の高騰や急落などがなく安定した地価傾向を示しているエリアもあります。すなわち、マクロ的には都心と郊外で二極化、東京23区内をミクロ的に見れば、中央区などの都心エリアに代表される高騰エリア、江東区などの上昇傾向にあるエリア、世田谷区などの安定したエリア、北区・練馬区のようなアベノミクス景気が続く中でも地価の水準が依然として低いエリアなど、地価の傾向はより細かく地域細分化されカオス状態になってきていることが分かります。
4.地価が安定したおすすめのエリアは?
東京都内において、地価はエリアによって地域細分化の傾向にあると言えますが、人口減少や少子高齢化が進むにつれて地域による差がさらに顕著になり、地価が上昇するエリア、下落するエリアなどが刻々と変化していくことが予測されます。これらの背景から考えると、大切な資産である不動産は資産価値が将来に渡って維持できるかと言う観点が今後ますます重要視されることになるでしょう。
それでは、資産価値を考えた時におすすめのエリアはどこになるでしょうか?
居住用として購入する不動産で考えた場合には、やはり何と言っても地価が安定していると言うことが重要ではないでしょうか。将来を予測することは難しいですが、地価の安定性を考慮する上で下記の5つのポイントを参考にされると良いでしょう。
1)過去の地価傾向をしっかりと把握して動向をチェックする。
2)人口が増加傾向にあるエリアかどうか。
3)幅広い年代・世代から支持されているエリアかどうか。
4)ブランド力があり、住環境が良いとされるエリアかどうか。
5)都心から比較的近く利便性が良いエリアかどうか。
全てを満たすことは難しいかもしれませんが、将来に渡って高い資産価値が維持できるということは、ライフステージに合わせた住み替えや、万一の不動産売却などの際もスムーズに売却が行える他に、何より所有している不動産の資産価値が安定しているということは何ものにも代え難い将来への安心感があります。
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5.これからの住宅選びのヒント
住宅は一生の中で一番高い買い物と言われているだけに後悔はしたくないものです。
資産価値に対するニーズが高まっているとは言え、無理して予算をかなりオーバーしてまで住宅購入するのではなく、あくまで予算に見合った資産価値の高いエリアを選べば良いでしょう。また、土地だけではなく住宅(建物)も資産価値に大きく影響しますので、資産価値を考慮した建築デザイン・設計を行い土地と建物の両面で資産価値を形成することをおすすめします。
是非、住宅購入の際は、今後の潮流である資産価値を念頭において検討されることをおすすめします。
特に、昨今の東京の地価は前述の通りカオス状態になってきていることから、将来を見据えて後悔しない土地選びをしたいものです。
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