渡辺知哉
設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。
この記事の監修者
渡辺知哉
設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。
新築の戸建住宅を検討する場合には、注文住宅と建売住宅の選択肢があります。
注文住宅と建売住宅には、それぞれ異なる特徴があるため、メリットやデメリットを理解した上で選択しなければなりません。なぜなら、イメージ通りの家づくりができない可能性があるからです。
この記事では、注文住宅と建売住宅の違いやメリット・デメリット、それぞれに向いている人の特徴を解説します。家づくりを検討している方や、注文住宅と建売住宅のどちらにしようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
注文住宅とは、所有している土地もしくは購入した土地に、建築工事を依頼して建てる住宅です。一方で建売住宅とは、土地と建物をセットで販売されている住宅を指します。
建売住宅と注文住宅の主な違いは、以下の通りです。
項目 | 注文住宅 | 建売住宅 |
土地の購入方法 | 住宅とは別に、自分で土地を購入する | 土地と建物をセットで購入する |
間取りや設備仕様の自由度 | 自分で決められるため、自由度は高い | 建設が始まっている、もしくは完成しているため、自由度は低い |
価格相場(全国平均)※ | 5,436万円 | 4,214万円 |
予算の立てやすさ | 総建築費により変動するするため、予算は住宅次第となる | 販売価格が決まっているため予算が立てやすい |
建築過程の確認 | 基礎工事から完成まで確認可能 | 完成済は建築過程の確認はできない未完成:工事の進捗により確認可能 |
入居のタイミング | 土地探しから10か月程度 | 完成済:即入居未完成:注文住宅に比べて早く入居可能 |
注文住宅を購入するメリットは、以下の4つです。
注文住宅のメリットとして、デザインや間取りの自由度の高さが挙げられます。要望やライフスタイルに合わせて、デザインや間取りを決定できるのが最大のメリットです。
オーダーメイドの家づくりが実現できるので、快適で満足度の高い家を作り上げられるでしょう。
家を建てるエリアを自由に選べるのも、注文住宅のメリットのひとつです。
土地選びに要望を反映できるため、住みたいエリアや駅までのアクセス、子どもがいる場合は通園・通学のしやすさを考慮して選択できます。候補が決まれば、周辺環境や地盤の強度、日当たりや風通しを確認すると、理想に近い土地に出会う可能性が高くなるといった具合です。
住宅を建てる際、どのように建築されているのか、その過程を確認したいと考える方もいらっしゃるでしょう。 注文住宅であれば、施工状況や工事の過程を実際に確認できます。
また、現場見学会のように建てている家の工事を見て、どのように施工管理されているのかを確認した上で、建築を依頼できます。
注文住宅は、デザインや間取りの自由度が高い分、どうしても予算オーバーしやすくなります。しかし、どうしても実現したい部分・そこまでのこだわりがない部分とでグレードを上下させて、予算配分の調整が可能です。
予算の兼ね合いを調整するのが難しい場合は、家づくりの相談窓口を利用するなどして、建築プランの提案を受ける方法もあります。
理想を実現できる注文住宅にも、2つのデメリットがあります。
注文住宅は、建売住宅に比べると、どうしても建築費用が高くなりやすい傾向にあります。
要望が増えてきて、選ぶ素材や設備が高額になる場合があるからです。そういった場合は、要望の優先順位を検討し、ローンの支払いや自己資金を確認しながら進めましょう。
また、想定以上の諸経費がかかる可能性があるので、あらかじめ予算に余裕をもって資金計画を立てることをおすすめします。
注文住宅は、入居するまでに時間がかかります。
注文住宅の入居までの目安
【2か月】土地探し・売買契約 【1か月】会社比較・契約 【2か月】基本設計 【2か月】実施設計・確認申請 【4か月】着工・上棟・竣工 【1か月】是正工事・引き渡し 新居に引越 |
土地探しと建築会社の選定を並行して進める場合でも、1年弱の期間が必要です。
希望の土地がなかなか決まらなかったり、設計の打合せに時間がかかったりするケースがあります。そうなってくると、住宅の完成や引き渡しが遅れる可能性が高くなります。
ただし、注文住宅の流れを把握し、ゴールから逆算してスケジュールを立てていくと対策可能です。
土地を購入して建物も建てる注文住宅に対して、土地にすでに建物が建っていて完成している状態が建売住宅です。それゆえに、得られるメリットがあります。
建売住宅のメリットを、以下で確認しましょう。
建売住宅の大きなメリットとして、注文住宅に比べて割安で購入できる点が挙げられます。
国土交通省の調査によると、全国平均で比較した場合に、注文住宅より1,222万円低い価格となっています。
項目 | 注文住宅 | 建売住宅 |
価格相場(全国平均)※ | 5,436万円 | 4,214万円 |
※ 引用:令和4年度住宅市場動向調査|国土交通省
建売住宅の販売価格が安くなる理由は、主に5つです。
建売住宅はすでに完成している住宅のため、実物の建物を内覧できます。購入前に、外観や間取り、内装、立地、利便性の確認が可能です。
住み始めてからの生活を、具体的にイメージできるでしょう。家族で話し合う場合にも、建物を確認できると共通したイメージがもてるので、意見を出しやすくなります。
土地の坪数のほか、家の大きさも決まっているため、建築費用の総額が明確です。そのため、住宅ローンを利用する際にも、月々の返済額を試算しやすいでしょう。
売買契約や住宅ローンなどの手続きを済ませて、引き渡しが終わり次第、いつでも入居可能です。
建売住宅に入居するまでの流れ
1. 物件の内覧 2. 建売住宅の購入申込み 3. ローンの事前審査を申請 4. 売買契約をの締結 5. ローンの本審査後に契約 6. 物件の立会い 7. 引き渡し 8. 入居 |
建売住宅は、早ければ物件の内覧から1か月程度で入居できます。特に、住宅購入を急いでいる方にとっては、建売住宅の入居までの早さは大きなメリットになるでしょう。
建売住宅にはメリットもありますが、デメリットも理解しておきましょう。
建売住宅のデメリットは、以下の3つです。
すでに完成している住宅であるため、購入時に間取りや設備の変更ができません。個性を出しにくいともいえます。理想の家づくりをしたいと考える方にとっては、デメリットになるでしょう。
購入後のリフォームであれば変更は可能ですが、別途で工事費用が発生してしまいます。物件の内覧時に、間取りや設備をよく確認しましょう。
建売住宅は土地とすでに建っている建物を購入するため、土地の状況が分かりません。
住宅にとって、土地の状況は、耐震性や耐久性を大きく左右します。軟弱な土地であれば地盤改良をおこなわなければなりません。
一方で注文住宅の場合は、土地の状況を調査して建築の可否を判断します。必要に応じて、地盤工事を施してから建築するのが一般的です。そのため、建売住宅の場合はあらかじめ災害リスクを確認し、保証内容のチェックも大切になります。
建売住宅は、着工前から、工事中、完成までの各段階における施工状況や施工過程を確認できません。基礎や外壁の内部、屋根工事など、建ててからでは分からない品質を知ることは難しいでしょう。
売買契約をした会社に依頼して施工記録を確認できれば、安心して家選びを進められます。
注文住宅と建売住宅のメリット・デメリットの両面から、どちらが向いているのか検討しましょう。
<注文住宅と建売住宅のメリット・デメリット>
メリット | デメリット | |
注文住宅 | デザインや間取りの自由度が高い 家を建てるエリアを自由に選べる 施工状況や工事の過程を確認できる 予算配分を調整できる | 建売住宅に比べて建築費用が高くなりやすい 入居するまでに時間がかかる |
建売住宅 | 注文住宅に比べて割安で購入できる 完成のイメージがしやすい 契約後に早めに入居できる | 間取りや設備の変更ができない 土地の状況が分からない 施工状況や工事の過程を確認できない |
理想やこだわりを家づくりに反映させたい場合は、注文住宅がおすすめです。
以下のポイントに該当する方は、注文住宅のほうが満足度の高いマイホームとなる可能性が高くなります。
・建築費用がかかったとしても、デザインや間取りにこだわりたい ・建物の性能や仕様を選びたい ・気に入った土地に、家を建てたい ・家族のスタイルに合った好みの家を建てたい ・ある程度の時間をかけても、しっかり考えたい |
建売住宅は、一般的な間取りやデザインが主になるため、建材や設備の仕様が限定的です。しかし、注文住宅であれば、吹き抜けや特定の間取り、外観デザイン、設備などの要望を反映できます。
できるだけ割安で戸建住宅に住みたい場合は、建売住宅の購入が向いています。
建売住宅が向いている人には、以下の点に共通した特徴があります。
・購入費をできるだけ抑えたい ・住宅を実際に確認してから買いたい ・間取りやデザインが決まっている方が安心できる ・時間や手間を省きたい ・住宅の購入を急ぐ理由がある |
家に関するこだわりがあまりなく、できるだけ早めに、不便なく暮らせる家に引越したい方は、建売住宅が向いているといえるでしょう。
注文住宅の建築を決めた時に、以下のポイントを押さえておきましょう。
注文住宅の計画を立てる際、まず予算を決めることが大切です。
予算を決める前に、具体的なプランを検討すると、大幅な調整が必要となる場合があります。あらかじめ、明確にしておいたほうがスムーズです。
予算は、「頭金+住宅ローン借入額」で決まります。
まず、頭金をどのくらい用意できるのか計算しましょう。
頭金は、自己資金から以下の費用を差し引いておきます。
注文住宅は、立地の重要性が高まります。
立地は、以下の条件をもとに優先順位を検討しましょう。
長く暮らし続けることを考えて、土地選びに外せない項目を整理してください。
土地選びからスタートする場合は、理想の家づくりを実現できるか、以下の3つをチェックしましょう。
土地に大きな段差が生じていたり、地盤が軟弱だったりすると、追加費用が発生する可能性があります。また、方角は日当たりに影響を与えるため、リビングや玄関の配置にも重要ポイントになります。
土地を見極めるためには専門的な知識が求められる場合があるので、不動産取引に詳しい専門家に相談してみてください。
これらの費用は、基本的に現金での支払いとなるため、いつでも引き出せるようにしておきましょう。
土地購入には、税金や手数料などの諸費用がかかります。
<土地購入の主な諸費用>
項目 | 内容 | |
不動産仲介手数料 | 土地を売買仲介で購入した場合に不動産会社に支払う費用 | |
手付金 | 売買契約を結ぶときに支払う費用 | |
登記費用 | 売主から買主へ所有権移転するときに支払う費用 | |
印紙税 | 売買契約書に収入印紙を貼ることで納める税金 | |
ローン手数料 | 金融機関でローンを組んだ場合に支払う費用 |
建物の建築にかかる諸費用も考慮してください。土地選びの段階から細かく確認しておくようにしましょう。
諸費用は、住宅ローン手数料、登記費用、不動産取得税などの税金といった、工事以外にかかる費用です。建築費総額の10%~15%が目安となります。
<建物の建築の主な諸費用>
項目 | 内容 | |
収入印紙 | 工事請負契約を結ぶときに支払う費用 | |
ローン関連の手数料 | 金融機関でローンを組んだ場合に支払う費用 | |
登録免許税 | 所有権移転登記をするときに支払う費用 | |
不動産取得税 | 不動産取得時に発生する税金 | |
固定資産税 | 不動産に課される税金 | |
火災保険 | 住宅ローン利用時に必須となる場合が多い |
土地の購入費用に多くの予算をかけすぎないように、建築費用とのバランスを考慮しましょう。
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注文住宅は、気に入った土地にこだわりの家を建てたい方に向いています。そのためには、土地探しやハウスメーカー選びが重要なポイントです。
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この記事では、注文住宅と建売住宅の違いやメリット・デメリット、それぞれに向いている人の特徴を解説しました。注文住宅は、既存の建物から選んで購入する建売住宅とは異なり、要望を反映した家づくりが可能です。メリット・デメリットが存在するため、その両面を理解した上で計画することで、理想の家づくりが実現できるでしょう。
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