消費税増税後の注文住宅の動きはどうなる?

 

1.はじめに

いよいよ2019年10月に迫った消費税増税。不動産購入をお考えの方は、既に消費税増税後の住宅購入支援策についてご存知かと思いますが、増税前に多くの富裕層がどのような準備をしているのか? を実際の動きからチェックすることで「不動産をいつ買うか?」「不動産をいつ売るか?」の参考にしていただければと思います。

既にご存知の方も多いと思いますが、国土交通省から発表されている消費税増税後の住宅購入支援策は下記の通りです。最新の情報は 国土交通省のホームページ をチェックしてみてください。

①住宅ローン減税の控除期間が3年延長(建物購入価格の消費税2%分減税(最大))
②すまい給付金 最大50万円に拡大
③新築最大35万円相当、リフォーム最大30万円相当のポイント制度創設
④贈与税非課税枠 最大3,000万円に拡大

※予算案、関連税制法案が今後の国会で成立することが前提(④を除く)
※2019年2月時点での情報です。

2.住宅展示場への来場者数は?

2~3月は毎月多くの来場者がある住宅展示場ですが、今年も多くのお客様が展示場を訪れているようです。しかし、意外なことに過去の消費税増税時に比べて消費税を気にする声はあまり聞こえてきません。消費税を気にするより、じっくりと物件を探して良い買い物をしたいという意向が強い様子が伺えます。

3.不動産会社への問い合わせ数は?

昨年末に株価の乱高下があり、不安が広がりました。その時は、様子見モードが少し漂いましたが、その後、不動産会社への問い合わせ数は安定して増え続けています。やはり、不動産会社にも消費税増税を気にする声はあまり聞こえてきません。富裕層からは「やっと買い時が来た」と言う声もあり、昨年の秋より調整が進んでいるエリアにおいては、不動産価格の内々の大幅値引きがあったりして、高額不動産がよく売れています。

4.収益不動産は?

ご存知の通り、スルガ銀行問題以降、ほぼ全ての銀行が不動産融資を引き締めています。しかし、内容をプライベートバンクや銀行から聞くと、自己資金の少ないお客様やサラリーマン大家への融資は、全くなくなったが富裕層への融資は引き続き活発なようです。「銀行が融資を絞っているおかげで、ライバルが脱落し、良い物件を以前よりも良い条件で買えるようになった」と富裕層は口を揃えて言います。

5.消費税増税に向けてどう動くか?

消費税を気にして買い急ぐ必要はない。良い物件をじっくり探す。但し、不動産価格は水面下で昨年から調整に入っており、ボヤボヤしていると良い物件を買い逃す可能性も。銀行の住宅ローンの金利下げ競争は終わりを迎えつつあり、この低金利下で条件良く融資を受けるチャンスを逃さないよう情報収集する。富裕層は様子見モードのギヤを切り替え、昨年末から不動産情報の収集を進めているようです。いずれにしても、「様子を見る」ことでチャンスを逃さないよう、情報収集だけでもしておくというのが良さそうです。

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この記事を書いた人

渡辺 知哉

設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。