注文住宅を成功させるコツ・ポイントは「建築会社探し」
目 次
1.はじめに
注文住宅を成功させる上で建築会社探しはとても重要なポイントとなります。いくら最良の土地が見つかっても建築会社が理想の住宅を建ててくれなければ全く意味がない家づくりとなってしまいます。また、建築会社によっては間取りや建築プランの提案力も変わってくるので納得のいく家づくりを行いたいのであれば「土地探し」「建築プラン」「施工」の3点を必ず押さえるように心がけましょう。その中でもこの記事では「建築プラン」や「施工」に関連する建築会社探しのコツやポイントについて書いていきたいと思います。
2.建築会社探しの方法
注文住宅を検討している人の中で、ほぼ全員が一度は住宅展示場に行ったことがあると答えます。注文住宅には土地の購入が不可欠ですが、土地の購入前から住宅展示場巡りを行っている人も多いようです。自分に最適な建築会社を探しだすことは至難の業ともいえることかもしれませんが、ネット社会が普及した昨今ではインターネットを利用したり、建築プランのコンペサイトを利用した入り必ずしも住宅展示場に通わなければ家が建てられないということには陥りません。気に入った住宅メーカーがあれば自分で問い合わせをすることもできますし、設計事務所にも容易に問い合わせをすることができます。このように多様化された建築会社探しにも、押さえるべきコツやポイントというものが存在しますのでご紹介します。
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3.建築会社探しのポイント
まず、建築会社を決める上で重要とされる内容を箇条書きにしてみたいと思います。
・予算感が合うか否か
・デザインやスペックは自分好みか
・見学会などは実施しているか
・担当者はフィーリングが合い親身になってくれるか
・要望通りの間取りや建築プランを書いてくれるか
・引き渡し後の保証はしっかりしているか
このように建築会社を探す際は多くのポイントが存在します。これらのポイントを押さえるためにはそれぞれ建築会社の特徴や、得意な建築法を知る必要があります。次の章では各建築会社の特徴や違い、工法についてご説明します。
4.ハウスメーカーと工務店や設計事務所の違いを知る
4-1、ハウスメーカー
ハウスメーカーと工務店は正確に区別する標準的な基準はありません。しかし、一般的には会社の規模やエリアの規模、自社商品の有無などによって分けられていることが多いようです。大手ハウスメーカーになどは、日本全国に拠点を置いており、年間の販売棟数も相当な数にのぼります。日本各地の展示場にも出店したり、インターネット広告やTV・雑誌などの広告で多くの人が目にすることでしょう。また、自社工場を持っていることも特徴の一つで、工場で建材や設備を商品規格化して大量生産することでコストを下げるという戦略をとっています。
しかし、宣伝や広告を利用して知名度のアップや商品のブランド化に力を注いでいる部分ではコストが上がるといった側面も持っています。仕様が決まっていて規格化された商品の中からプランを選ぶため、住宅のイメージが明確ではない人には向いているかもしれませんが、個性を追求した住宅を望んでいる人には向いていないかもしれません。他にも、商品が規格化されている分、工期が早いといったメリットや品質に一定の安定感があることで安心感を得られるという特徴があります。
4-2、工務店
多くの工務店が地域に密着しており、その土地の特徴を生かした建築を得意とします。施工のみではなく、設計から施工まで建物の工事全体を請け負い、自由度の高い設計を手掛ける工務店も多く存在します。個人で運営しているような小規模な工務店が多いほか、フランチャイズに加盟している工務店や、建材や設備を商品化している大型工務店なども存在します。工務店は、膨大な広告費や人件費を利用していないので、建築費が安く収まるなどの特徴があります。建材や設備が商品化されていない工務店では、職人の技量で住宅の品質に差が出る可能性があったり、工期がハウスメーカーよりも遅くなる可能性があります。一般的には多くの住宅が工務店を利用して建てられており、予め予備知識やメリット・デメリットなどの情報を入手した上で利用してみると良いでしょう。
4-3、建築設計事務所(建築家)
注文住宅で家を建てる際に頭に浮かぶ建築会社と言えば「ハウスメーカー」や「工務店」ですが、設計事務所(建築家)を選ぶという選択肢もあります。設計事務所はハウスメーカーや工務店とは違い、独自性の強い唯一無二の家づくりをすることができます。また、ハウスメーカーや工務店との大きな違いは、設計事務所は設計だけを行い実際の施工は工務店などの施工会社が行うという点です。簡単に言えば、設計事務所は設計と設計監理を行い、施工自体は行わないということです。自由度が高くデザイン性に優れた独自の注文住宅を希望する方にはお薦めのプランです。
5.構造や工法の違いを知る
5-1.木造軸組工法(在来工法)
古来より日本で行われてきた工法で、現在の住宅の約8割が木造軸組工法で建てられていると言われてます。木造と言う名の通り、全てが木で造られているため木の温もりが心地よく日本の風土にもよく合っている工法で、もともとは職人さんの技量による部分が多い工法でしたが、近年ではプレカット工法など機械加工されたものを利用することが多くなり品質は安定しつつあります。構造材はヒノキや杉などの国産品や、米ツガ・米マツなどの北米材や南洋材などの輸入材が中心に使用され、集成材など強度の強い木材を利用するケースも近年では増えてきています。耐震に対する工夫としては、柱と梁で骨組みを整え、筋交いを行うことで地震に耐えられる構造を造り出しています。木材を利用することで日本の風土にも合う工法ですが、天井や床下の湿気やシロアリへの対策が必要になることもあります。
5-2.ツーバイフォー工法(2×4工法)
様々な適応力の高さから「輸入住宅」や「和風住宅」など幅広く採用されている工法で、特に北米を中心に盛んな工法です。2インチ×4インチの構造材で、4面の壁と屋根(天井)・床の計6面を建物として「箱型構造」にする工法で、「枠組み壁工法」とも呼ばれています。多くの構造材が規格化されており、合理的で標準化された工法のため、職人さんの技量に品質が左右されることも少なく質の高い家を安定的に建てられるという特徴があります。また、規格化された構造材による住宅のため、工期が早くなるというメリットや、箱型構造のため地震に対する横揺れを家全体で吸収するなど耐震性にも優れており、一般的には「木造軸組工法」より1.5~2倍程度の強度があると言われています。ただし、壁や床・天井などをそれぞれの「面」で支えているため、大きな開口部分が取りにくいほか、同じ理由から住宅の増改築に対しても自由度が低いと言われてます。
5-3.軽量鉄骨造
一戸建てで最も多い木造建築である「木造軸組み工法」の柱や梁など構造体を軽量鉄骨に置き換えた工法で、一般的には「鉄骨軸組み工法」と呼ばれています。多くの大手ハウスメーカーが採用し、工場で大量生産を行うことで品質を安定させ、職人の技量に影響されることなく家を建てることができます。この軽量鉄骨造の登場により日本の住宅産業は大きく発展したともいわれています。強度は木材よりも優れているため大きな窓や開口部を設けることも可能です。しかし、その反面大量生産のためデザインの自由度が低く、リフォームやリノベーションには不向きという点が挙げられます。また、鉄骨は熱を通しやすいので室内の温度が外に逃げやすく結露になりやすい点や湿気で錆が出やすくなってしまうというデメリットがあります。
5-4.重量鉄骨造
重量鉄骨造は「ラーメン構造」とも呼ばれており、一般的に鋼材の厚みが6mm以上のものを重量鉄骨、6mm未満のものを軽量鉄骨とされています。中高層マンションやオフィスビルにも採用される工法で、垂直に立つ柱と水平にかけられる梁を頑丈につなぐ実にシンプルな構造となっています。大きな空間や開口部を作ることも可能で設計の自由度が高く、狭小地などでも柔軟な建築が可能です。鋼材が厚いため防音の効果が高く、耐震性にも優れています。鋼材が重く重量があるため、基礎部分を強固にする必要があり、これによりコストが高くなってしまいます。軽量鉄骨と同様に鋼材が鉄骨のため、熱が逃げやすく結露になりやすい点や湿気で錆が出てしまう可能性も考えられます。
5-5.鉄筋コンクリート造(RC在来工法)
鉄筋コンクリート造は、セメントや砂利から成るコンクリートを鉄筋が一体となって建物を支える構造で「RC造」とも呼ばれています。鉄筋で骨組みを作り、さらに型枠で囲いコンクリートを流し込んでいく工法です。鉄骨とコンクリートの組み合わせにより強度はとても強く耐震性や防音性に優れています。また、コンクリートは火に強く、鉄筋の錆や浸食も防ぐため、耐火性や耐久性にも優れています。ほとんどの作業を現場で行うため作業は天候に左右されたり、現場の職人の技量に差がでたり品質の安定という意味ではばらつきがあるといわれています。また、コンクリートは熱を通しやすく熱がこもりやすいため、夏は暑く冬は寒くなりがちなので断熱処理を施す必要があります。コンクリートを使用するためコストは他の工法より高く工期も長くなる傾向があります。
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6.まとめ
家づくりは多くの人にとって初めての経験だと思います。とは言っても良くわからないまま話を進めてしまうと大きな落とし穴に陥らないとも限りません。今後、長い間過ごしていく家だからこそ情報収集をしっかりと行って納得のいく家づくりをしたいものです。大手ハウスメーカーはテレビや雑誌などで露出が多いため身近に感じてしまう建築会社だと思います。一方、地場の工務店や設計事務所などはその特徴や建築実例がみえにくい構図となっています。このため、建築見学会などに積極的に足を運んでデザインや工法などを見てみると良いでしょう。失敗しない建築会社の選び方は自分自身が行動して実際に調べつくした上で、信頼できる建築会社を選んでみてください。最終的には2~3社までに絞ることがベストかもしれません。
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