注文住宅で薪ストーブがある家

 

1.はじめに

薪ストーブがある注文住宅は、近年にわかに脚光を浴び始めている住宅です。注文住宅を建てるだけでもハードルが高いと思っている人にとって、薪ストーブを設置することは果たして本当に困難なのでしょうか。それでも人気・需要ともに上向きなのはそれだけ世間でも注目されているということになります。この記事では注文住宅で薪ストーブを設置するメリットや方法、そして注意点について書いていきたいと思います。

2.薪運びについて

薪ストーブがある住宅では、1日に約30kgの薪を使用すると言われています。薪には虫や汚れが多く付着しているため、できれば室外に薪置き場を作って持ち運びをしたいものです。それでも1日に何度も室外・室内を往復することはとても大変な作業になることが予想されます。そこで、住宅を設計する上での導線がとても重要となってくるのです。

3.薪導線を考える

前述しました通り「薪運び」については導線が大事だということ書かせて頂きました。では、どのような動線が一番ベストなのでしょうか。例えば、リビングの一部を土間として薪ストーブを設置して、薪置き場との間にドアを設置するパターンはスタンダードな間取りとして知られています。これで双方の行き来が容易となり、薪置き場と薪ストーブの導線も最短にすることが可能となります。さらに靴のまま薪を運ぶことができるのでとても有意義な間取りとなるのではないでしょうか。1点、重要なことは薪置き場を軒下に設置しないと雨露に濡れて火移りが悪くなってしまうので注意が必要です。

4.薪ストーブライフの実現

薪ストーブはデザインや大きさで選ぶのではなく、その用途に応じて選ぶことをお薦めします。例えば、「炎で暖を取る」「食材を温める」「料理をする」「炎を眺めていたい」などなど、その用い方は人それぞれです。また、メンテナンスのことも考慮すると煙突のデザインや性能はとても重要となり、結論から言うと「垂直」の煙突がお薦めです。垂直な煙突のメリットとしては、垂直な分煙突内に煤(スス)が溜まりにくく劣化の軽減とメンテナンスも行いやすいという点が挙げられます。一方、「T曲」「エビ曲」煙突では煤(スス)が溜まりやすく掃除やメンテナンスにも難渋することでしょう。

5.薪ストーブの設置方法

薪ストーブは火を取り扱うので設置には最善の注意が必要です。このため、ストーブの床(炉床)や壁(炉壁)には不燃建材を用いて部屋壁から一定の距離を置くことをお薦めします。そして、室内ストーブから距離的にも近い室外に薪置き場を設置することも忘れずに。また、ストーブの扉を開けると灰が落ちたり火花が散って土間やフローリングを焦がすため一定のスペースが必要となります。

6.薪ストーブの値段について

気になる薪ストーブの値段ですが、安いストーブでは5万円くらいから購入することができます。もちろんデザインや高い性能を求めれば20万円~80万円くらいはかかってしまいますが用途によってピンキリと考えたほうが良いかもしれません。しかし、この値段は本体価格の値段でその他にも煙突の設置工事や「炉台」などの設置費用が発生することもあります。これらを考慮した上で、総額費用としては60万円~80万円ほどのコストがかかると考えて頂けたらと思います。

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7.まとめ

薪ストーブがある自宅には多くの人が憧れを持っているようです。しかし、注文住宅自体にハードルが高いと思っている人にとって、薪ストーブの設置は夢のような話だと思っていることでしょう。その反面、きちんとした知識を予め持つことで薪ストーブがある家のハードルは一段も二段も下がるのではないでしょうか。是非、この記事を読んで皆さまに「薪ストーブ」がある家づくりのお役に立てたらと思います。

この記事を書いた人

渡辺 知哉

設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。