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RC住宅、RC造

RC住宅を徹底解説!:メリット&デメリットや木造住宅との比較も

 


注文住宅を検討していると、自然と目に入るのが「RC造」というキーワード。鉄筋コンクリートを使用したこの建築スタイルは、都市部のマンションから一戸建ての住宅まで広く使われています。しかし、「RC造って具体的に何?」「木造と何が違うの?」といった疑問をお持ちの方も少なくないでしょう。

この記事では、そんな疑問を解消するべく、RC造やRC住宅の基本から建設費、そのメリットとデメリット、さらには木造との比較まで解説しています。
これから新しい住まいを建てる予定がある方、RC造の住宅に興味がある方であれば、この記事はあなたの知識を深める一助となることでしょう。
ぜひ一読して、ご参考にしていただければと思います。

1. RC造とは何か

私たちが日々の生活で利用している住宅やビルには、さまざまな建築工法が用いられています。その中で一般的なもののひとつがRC造(鉄筋コンクリート造)です。「RC」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、その具体的な意味や特性、歴史を理解している人は案外少ないのかもしれません。
そこでこの章では、RC造の基本について解説していきたいと思います。

1-1. RC造の定義

「RC造」とは、鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete Construction)の略で、鉄筋とコンクリートを組み合わせた建築工法を指します。
鉄筋は鉄の棒で、強度を確保するために用いられます。一方、コンクリートはセメント、砂、砂利を混ぜたもので、形成性と防火性に寄与します。この鉄筋とコンクリートを組み合わせることで、それぞれの材料が補完しあい、耐震性と耐久性などに優れた構造を作り出します。

具体的な例で言うと、都心部の高層ビルやマンションはほとんどがRC造です。地震が頻発する我々の国でも安心して暮らすことができ、多階層の建物を建てるのに最適な工法です。

1-2. RC造の歴史と発展

1-2-1. RC造の起源

RC造の起源は19世紀のフランスに遡ります。当時の建築家たちは、建築材料としてコンクリートの可能性を探っていました。そして、コンクリートに鉄筋を組み合わせることで、これまで以上の強度と安定性を持った建物を建てることができるという発見をしました。
コンクリートと鉄筋を組み合わせたRC造は、それぞれの素材の長所を引き立てる画期的な方法でした。コンクリートの強固さと鉄筋の柔軟性が合わさり、とても堅固な構造物を生み出すことができたのです。この発見は、建築の世界に革命をもたらしました。

1-2-2. RC造の技術的進歩

RC造が初めて開発されてから、その技術は大きく進化していきました。20世紀初頭には、RC造は高層ビルや大規模な構造物の建設に欠かせない工法となりました。
近年では、建築技術の進化とともに、より強度の高いコンクリート、より効率的な製造プロセス、さらには建築物のエネルギー効率を向上させる技術などが開発されています。これらの進歩により、RC造は現代の都市環境においてもなお重要な役割を果たしています。
そして現在、RC造は高層ビルだけでなく、低層の一般住宅や公共施設など、様々な建築物に用いられています。耐震性や防火性、耐久性の高さから、特に地震が頻発する我々の国では非常に重宝されています。

2. RC住宅の特徴

RC造について基本的な理解ができたところで、次にRC住宅の特徴について深掘りしてみましょう。
一見すると、木造と変わらないように見える住宅もあるかもしれませんが、RC住宅には他の建築工法にはない魅力的な特徴がいくつもあります。

2-1. RC住宅の構造的な特徴

まず最初に、RC住宅の基本的な構造について考えてみましょう。この部分は、RC住宅の最も重要な特徴を理解する上での鍵となります。

2-1-1. 使用材料とその特性

前述の通り、RC造は鉄筋とコンクリートを組み合わせた建築方法です。この組み合わせがRC住宅の最大の特徴となります。
鉄筋は引張強度に優れ、コンクリートは圧縮強度に優れています。そのため、これらを組み合わせることで強固な構造を作り出すことが可能となります。
例えば、RC造の住宅の壁は一般的に厚く、その厚さがRC住宅の耐震性や耐火性に寄与しています。

2-1-2. 構造体の特徴

RC住宅の構造は、壁や床、柱など全てが一体となった「一体成型」の構造をしています。
これにより、RC住宅は高い耐震性を持つことになります。
また、各部屋の間の音の透過も軽減されます。つまり、隣の部屋で起きている音が、自分の部屋まで伝わりにくいということです。

2-2. RC住宅の防火性・耐震性

住宅の品質を決める重要な要素として、防火性と耐震性が挙げられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

2-2-1. 防火性の詳細

RC住宅は、その素材と構造から非常に高い防火性を持っています。その理由は、主要な構成要素であるコンクリートが火に対する耐性が高いからです。
詳しく説明すると、コンクリートの成分であるセメントは、高温になると水分を失いますが、その結果として硬化し、火災時にも形状を維持します。また、鉄筋はコンクリートに囲まれているため、直接火に触れることがないのです。これらの要素が組み合わさることで、RC住宅は火災に強い堅固な住まいとなるのです。
さらに、RC造は全体が一体成型になっているため、火災の際の煙や炎の進行を遅らせる効果もあります。これにより、住んでいる人が避難するための時間を確保することができます。

2-2-2. 耐震性の詳細

RC住宅の耐震性についてですが、地震が頻発する我々の国では、これは非常に重要なポイントとなります。
RC住宅は、その構造体が一体化されているために、地震の揺れに対して優れた耐性を持っています。
鉄筋とコンクリートの組み合わせが、建物全体に対する地震の力を分散させ、それぞれの部分が互いに支えあうことで、地震の揺れに対する抵抗力を強化します。
また、RC住宅の壁は通常、厚く堅固であるため、地震の揺れから家具や家電が倒れるのを防ぎます。さらに、部屋から部屋への揺れの伝わりも少なく、地震発生時の安全性を高めています。

3. RC住宅の設計と構築

RC住宅を建てることが決まったら、次は設計と建設のフェーズに入ります。
ここでは、その過程で考慮すべきポイントをご紹介します。

3-1. RC住宅の設計の重要な観点

3-1-1. 間取りの作成

RC住宅の設計では、最初に建てる際の間取りの作成が重要になります。
鉄筋コンクリート構造は固定された構造が多く、後からの壁や柱の移動が難しいため、最初の設計段階で生活の流れをしっかりと考え、最適な間取りを作り上げることが求められます。
また、RC住宅は耐久性がありますが、その分、壁が厚くなる傾向にあります。そのため、部屋の広さや間取りを考える際には、壁の厚さも考慮しておきましょう。

3-1-2. 環境への影響とエコ対策

RC住宅の設計では、環境への配慮も大切です。
コンクリートは、生産過程で大量のCO2が排出されますが、長寿命な住宅として、その寿命全体を通じて見れば、CO2排出量を相対的に抑えることができます。
さらに、エネルギー効率の良い設備を選ぶことや、遮熱・断熱性能を上げる設計を行うことで、省エネルギーを実現し、結果的に地球環境への影響を最小限に抑えることができるでしょう。

3-2. RC住宅の建設プロセス

設計から完成まで、一貫して専門家の監督のもと、丁寧な作業が行われます。
RC住宅の建設は、単に家を建てるだけでなく、安心して長く住める生活空間を作り上げることを目指すプロジェクトとなります。

3-2-1. 準備工程

RC住宅の建設は、まず地盤調査から始まります。
地盤が弱い場合は地盤改良が必要になることもあります。
次に基礎の工事が行われ、その上に鉄筋を組み立て、コンクリートを打設します。

3-2-2. 実際の建設段階

建設段階では、まず鉄筋を配置し、その上からコンクリートを流し込む作業が行われます。この段階では、鉄筋の配置やコンクリートの品質管理が重要となります。この作業を適切に行うことで、RC住宅の長期的な耐久性や安全性が確保されます。
コンクリートは硬化するまでの養生期間を確保することも重要です。
硬化後に、壁や床の仕上げ作業が行われ、さらに窓やドアの設置、電気や水道、空調システムの配管工事が行われます。
最後に内装仕上げが行われ、家具の配置や照明の設置など、生活を始めるための準備が整えられます。この作業は、生活スタイルや好みに合わせて、後からカスタマイズすることも可能です。

4. RC住宅のコスト

RC住宅を選ぶ際、ひとつの大きな要素となるのがそのコストです。
初期の建設コストはもちろん、長期にわたる維持・修理コストも視野に入れて計画し、自分のライフスタイルや予算に最適な住まいを選ぶことが大切になってきます。

4-1. RC住宅の建築費

4-1-1. 材料費

RC住宅の建設には鉄筋コンクリートが必要となります。鉄筋コンクリートは文字通り、鉄筋とコンクリートの2つの素材を組み合わせたものであり、これらの素材費が木材より高くなります。その他の建築材料や内装材、設備のコストも入ってきます。
ただし、RC住宅は木造住宅と比較して耐久性が高く、材料の寿命が長いという特性があります。そのため、初期コストが高くても、長期的に見れば安くつく場合もあります。

4-1-2. 人件費

RC住宅の建設は専門的な技術を必要とするため、木造住宅を建てるより人件費が掛かります。設計者や施工者の人件費はもちろん、建設期間中の管理費なども含まれます。
これらのコストは、地域や設計内容、建設規模によって変わるので、しっかり比較検討してください。

4-2. RC住宅の維持・修理コスト

4-2-1. 一般的な維持費

RC住宅で必要になる維持費としては、例えば屋上防水の費用などがあります。
また、建物の老朽化による修繕費も必要となりますが、RC住宅の場合、木造住宅と比較して維持費は一般的に少なく抑えられます。これはRC住宅の構造が耐久性に優れているためです。

4-2-2. 大規模修繕の費用

大規模な修繕が必要となる場合、RC住宅は一見高額な費用がかかるように思えますが、全体のライフサイクルコストを考えると、その費用も相対的には高くないことが多いです。
RC住宅はその耐久性から、木造住宅に比べて大規模な修繕が必要となる頻度は少ないのが一般的です。しかし、大規模修繕となった場合は専門的な技術や設備が必要となり、それらの費用はある程度のまとまった金額も必要となります。
例えば、鉄筋のサビ止めやコンクリートの補修など、専門的な技術が必要となります。また、経年劣化が見られた場合、その部分を改修または補修するための費用も必要となります。
しかし、ここで重要なのは、RC住宅はその強度と耐久性から大規模修繕の頻度が低い、という点です。つまり、ライフサイクル全体で考えた場合、その修繕費用は長期的には抑えられるのです。

5. RC住宅のメリットとデメリット

RC住宅は一見すると、とても優れた特性を持っています。しかし、良いことばかりではありません。
それぞれのライフスタイル、価値観、経済状況により、RC住宅が最適な選択肢であるとは限らないのです。それでは、RC住宅のメリットとデメリットを見ていきましょう。

5-1. RC住宅の主なメリット

5-1-1. 耐久性と安全性

RC住宅の最も大きなメリットは、前述の通り、耐久性と安全性です。
RC住宅はコンクリートと鉄筋により構成されるため、耐久性が非常に高く、火災や地震に対する耐性も強いです。

5-1-2. 保守・維持の容易さ

RC住宅は木造住宅に比べて経年劣化が少なく、大規模なメンテナンスが少ないというメリットもあります。
これは、長期的に見たときに維持・修理コストを抑えられるので、費用面でのメリットとなります。

5-2. RC住宅の主なデメリット

5-2-1. 建築コスト

RC住宅のデメリットとして最も多く挙げられるのが、その建築コストです。
鉄筋コンクリートの材料費や施工費が高く、初期投資としては木造住宅に比べて高額となることが多いです。

5-2-2. 重量と地盤への影響

RC住宅の重量が大きいため、土地の地盤が弱い場合には地盤改良が必要となり、これがさらなる費用増加に繋がることもあります。
また、その重量により、地震の際の揺れも大きくなる場合があります。

6. RC住宅と木造住宅との比較

今まで、RC住宅の特徴と利点について詳しく見てきましたが、ここでは木造住宅(在来工法、2×4工法)と比較していきます。
この比較により、RC住宅が自分のライフスタイルや価値観に合っているのか、より明確に理解できると思います。

6-1. 構造的な特徴の比較

6-1-1. 材料とその特性の比較

木造住宅は、名前からもわかるように、主に木材を使用しています。木材は軽量で加工が容易な一方で、火災に対して脆弱です。また、湿度の変化により膨張や収縮を繰り返し、その結果、経年による劣化が進みやすいという特性も持っています。

一方、RC住宅は鉄筋とコンクリートを使用し、これらの素材は火災に対して強く、また湿度の変化による影響も少ないです。

6-1-2. 構造体の特徴の比較

木造住宅は柱と梁によって支えられ、壁は主に部屋の仕切りとして機能します。

一方で、RC住宅では壁自体が建物を支える構造部材となっています。このため、RC住宅は木造住宅に比べて、強固な構造を持つと言えます。

6-2. 防火性・耐震性の比較

前述した通り、RC住宅はその素材と構造から高い防火性と耐震性を持っています。
一方、木造住宅は火災に対して脆弱であり、また地震に対する耐性もRC住宅に比べて弱い場合があります。

しかしながら、現代の木造住宅では防火処理や耐震補強が行われているため、一概にRC住宅の方が優れているとは言えません。RCと木造、それぞれの住宅における防火性・耐震性については、実際の設計や工法によるところが大きいと言えます。

6-3. 建築費の比較

一般的に、RC住宅はその素材と施工方法から、木造住宅(在来工法、2×4工法)よりも建築コストが高くなることが多いです。特に、コンクリート打設や鉄筋組立などの作業は専門的な技術を要し、これがコストを押し上げる一因となっています。

一方、木造住宅は材料費や施工費が比較的安価で、カスタマイズもしやすいという特性があります。また、2×4工法の場合は、効率的な工程管理と組み立て作業により、さらにコストを抑えることが可能です。

しかし、これらはあくまで一般的な傾向です。最終的な建築費は、建築現場の条件、建物の規模や設計、どんな設備や内装を選択するかなど、様々な要因によって左右されます。
そのため、一概にRC造の方が高いとは言えないかと思います。

6-4. 維持費や修理費の比較

RC住宅は、鉄筋コンクリートの特性上、長期的に安定した性能を保ちやすいため、定期的な大規模な修繕が不要であることが多いです。
そのため、長期的な視点で見ると、維持費や修理費を低く抑えられる可能性があります。

一方、木造住宅は時間の経過とともに木材が劣化するため、定期的なメンテナンスや修繕が必要となります。特に在来工法の場合は、柱などの木材が室内でむき出しとなっているため、保護処理や防腐処理などのメンテナンスが必要になる場合があります。
しかし、、木造住宅の方がリフォームやリノベーションなどが容易であるため、ライフスタイルの変化に柔軟に対応することが可能で、将来の家族像によっては大きなメリットとなります。

7. よくある質問と解答

Q:RC住宅の寿命はどのくらいですか?

A:RC住宅の寿命はその建物がどのようにメンテナンスされ、どのような環境下で使用されるかによりますが、一般的には50年から100年と言われています。もちろん、これは定期的なメンテナンスが行われ、適切な状態で保たれていることが前提となります。RC構造の耐久性はその材料の特性と優れた構造設計によるもので、長期間にわたって高い性能を保つことが可能です。

Q:RC住宅はリフォームが難しいですか?

A:RC住宅のリフォームは、木造住宅と比較すると一定の制限があります。特に、構造壁に関わる大規模な改変は困難です。これはRC住宅の主要な構造体が鉄筋コンクリートでできているためで、これらの壁や柱を移動させることは難しく、可能な場合でも高額な費用が見込まれます。
ただし、内装の変更やフロアの配置変更、窓の追加など、構造体に直接関わらない改修は比較的容易に行うことができます。また、給排水管や電気配線の変更も可能ですが、これらは専門的な技術を必要とするため、リフォームのコスト増となります。
このように、RC住宅のリフォームはある程度は可能です。しかし、何を行いたいか、どの程度の変更を行いたいか、その作業の複雑さによってコストが大きく変動します。

8. まとめ

本記事を通じて、RC(鉄筋コンクリート)造の住宅について、理解を深めていただけましたでしょうか。
RC造はその強固な構造と耐久性、そして優れた防火性や耐震性から、質の高い住宅を求める人々にとって魅力的な選択肢となっています。また、その建物の寿命は50年以上と非常に長く、適切なメンテナンスが行われれば、木造住宅の数倍となる長期にわたって住むことが可能です。

しかし一方で、RC住宅は建設コストが高く、特に地盤の強固さを要求されるといった一部の制約が存在します。リフォームも構造的な制約から難しい場合も多々あります。それでもメリットは大きく、特に都市部の住宅として、また災害に強い住宅として注目を集めています。
また、木造住宅との比較でも、それぞれに一長一短があることが理解いただけたかと思います。あなたがどのような住宅を求め、どのような生活スタイルを望んでいるのかにより、最適な選択肢は異なります。

sumuzuは建築予定地におけるRC造と木造の比較検討はもちろん、RC住宅に強い建築会社やその優秀な営業担当をご紹介することも可能です。
RC住宅をご検討される場合は、お気軽にsumuzuまでご相談ください。

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この記事を書いた人

渡辺知哉

設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。