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中庭

「中庭」を徹底解説! 基礎知識からメリット、何かと気になる活用方法まで

 

あなたの理想の家にはどんな空間をイメージしていますか?
光溢れる開放的な空間、季節の移ろいを感じられる場所、または家族が笑顔で過ごす場所……、それらすべてを実現できるのが「中庭」なのです。

中庭が家のデザインにどのように影響を与えるか、どのように設計するべきなのか、そして実際に中庭を設けると生活はどのように変わるのか。自然が好きで、家族との時間を大切にする人が新築やリノベーションを考える時、とても悩ましい問題かもしれません。
この記事では、家づくりのプロの視点から、中庭の様々な側面を深掘りしていきます。ぜひ、一読して、あなたの家づくりがより充実したものになるための参考としていただければと思います。

1. 中庭とは

まず最初に、中庭とはどんなスペースなのかについて解説します。
これらの基本的な知識を得ることで、中庭がどのように我が家の生活空間に役立つか、おおまかな想像ができるかと思います。

1.1. 中庭の定義と特徴

中庭はその名の通り、建物の中心部に配置される庭のことを指します。一般的な庭とは異なり、壁や部屋に囲まれています。古代ローマの豪華な邸宅から現代の洗練された住宅まで、中庭は建築の歴史を通じて広く用いられてきました。

中庭の特徴は、居住者の生活空間の真ん中に自然を取り込むことができる点にあります。
これは、中庭の周囲の部屋に太陽の光や新鮮な空気を取り込み、視覚的にも心地よい空間を作り出す手段のひとつにもなります。特に都市部での生活では、自然との接点がが失われがちです。しかし自宅内に中庭を持つことで、様々な部屋にいながらにして、自然を身近に感じることができます。

1.2. 中庭の起源と歴史

中庭の概念は非常に古く、ギリシャ神話に「アトリウム」という名称で登場します。
そこから時代は少し下り、古代ローマでは、豪邸に中庭があるのが一般的でした。その中庭は家族の生活の場でもあり、人々が集う社交の場でもありました。
中国の伝統的な建築でも中庭は大切なスペースでした。例えば中国北部では、「四合院」と呼ばれる、中庭を中心に四方を家屋で囲むように建てられた住居が700年以上前から建てられていました。街の雑踏から隔離された空間を持つこの四合院は、閑静で安心して暮らせる住宅でもありました。

これらの例からわかるように、はるか昔から洋の東西を問わず、中庭は単なる装飾的なスペースにとどまらず、生活空間の一部であり、家族の交流の場としても機能する場所として使用されていたのでした。

1.3. 「坪庭」や「インナーバルコニー」との違い

「坪庭」と「インナーバルコニー」も中庭と同じく、自然を生活空間に取り込むための間取りですが、それぞれ中庭と異なります。そこで、ここでその違いを解説します。

「坪庭」はその名前が示す通り、1坪(約3.3平方メートル)、大きくても3坪程度の小さな庭のことを指します。この庭は、日本の伝統的な家屋においてよく見られ、石や苔、木々を用いて美しい風景が描かれることが多いです。小さいながらも、そこには自然の要素が詰まっており、四季折々の風情を視覚的に楽しむことを目的として作られています。
詳細は「初心者でも安心! 坪庭を徹底解説」をお読みください。

「インナーバルコニー」は、バルコニーやテラスの一種で、建物の内部に設けられるものを指します。通常、これは屋根や半壁に囲まれており、屋外の要素を取り入れつつ、室内の延長として使用します。そのため、屋外の雰囲気を感じつつ、雨の日でも読書を楽しんだり、お茶を飲んだりすることができるスペースとなっています。

坪庭とインナーバルコニーはそれぞれ異なる形で自然と接し、生活を豊かにする目的で設けられています。しかし、中庭はこれらとは異なり、一般的には、建物全体で取り囲まれた形で配置されることが一般的で、より多くの自然光が入ってきます。また、広い中庭では、大小様々な植物を植えたり、ベンチやテーブルを置いたり、時には小さな池を作るなど、擬似的ではない自分だけの小さな自然空間を作り出すこともできます。これは、坪庭やインナーバルコニー以上にいろいろな用途で利用し、家族が楽しめるポテンシャルを持った屋外スペースとなります。

2. 中庭のタイプ

中庭の形状や配置は、建物のデザインや間取り、住人のライフスタイルに大きく依存します。
とはいえ、中庭の一般的に見られるタイプとして、「ロの字型」「コの字型」「L字型」の3種類があります。ここでは、3タイプそれぞれの特徴と設計例を見てきましょう。

2.1. 「ロの字型」中庭

2.1.1. 「ロの字型」中庭の特徴

「ロの字型」の中庭は、その名前が示すように、建物が「ロ」の字のような形状で建っていて、その開いている中央部分が中庭となっています。この形状は、四方の部屋から中庭を見ることができ、その各部屋に自然光や外気を取り込むことが可能なため、日当たりや風通しを重視する場合に適しています。

また、「ロの字型」の中庭は、開放感を得ることができると同時に、プライバシーもしっかり確保することができます。中庭が完全に建物の内側にあるため、外部からの視線を気にすることなく、中庭を利用できるからです。

2.1.2. 「ロの字型」中庭の設計例

一例として、リビング、ダイニング、キッチンを一列に並べ、その対面に寝室や書斎を一列に配置し、その2列を廊下で繋ぐレイアウトが考えられます。この場合、すべての部屋から中庭が見え、またすべての部屋に自然光を取り込むこともできます。中庭には植栽だけでなく、屋外用のイスやテーブルを置いてホームパーティーをしたり、リラクゼーションスペースとして利用することも可能です。

2.2. 「コの字型」中庭

2.2.1. 「コの字型」中庭の特徴

「コの字型」の中庭は、「ロの字型」に比べて一辺が開いている形状を指します。この形状は、一方向からの風通しや日照を重視する場合に適しています。

「コの字型」の中庭は、中庭が半開放的であるため、道路の反対側が開いている形状にすれば外部からの視線を遮断しつつ、より大きな開放感を持たせることができます。それとは真逆に、中庭を道路側に面する形にすると、開放感のあるエントランスとして利用することも可能です。

2.2.2. 「コの字型」中庭の設計例

コの字型中庭の設計例としては、リビングやダイニングが中庭を囲むようにし、寝室や書斎を建物の後方に配置するレイアウトが考えられます。この配置により、中庭からの日照と風通しを活用しつつ、プライバシーを保護することができます。

中庭がエントランスと兼ねる場合、訪問者に開放的な印象を与えつつ、開かれた形状によって、住人自身も日常的により多くの自然と接触することが可能になります。また、中庭を開けたガーデン(庭園、菜園)として活用し、緑豊かな景観を内外から楽しむことも可能です。

2.3. 「L字型」中庭

2.3.1. 「L字型」中庭の特徴

「L字型」の中庭は、建物がLの形をした配置になっていて、その内側に設けられている形状を指します。この形状は、特定の部屋からの視界や日照を重視する場合に最適です。

L字型中庭は、庭の一部を隠すことで視線の流れを制御し、奥行き感を生み出します。また、庭の一部を建物の影に入れることで、例えば夏場の強い西日をカットしつつ、しっかりと開放感のある庭を楽しむことも可能です。

2.3.2. 「L字型」中庭の設計例

L字型中庭の設計例としては、リビングやダイニングが中庭に面し、寝室はその後ろあるいは上階に配置することで、視覚的な広がりを演出します。このレイアウトでは、リビングやダイニングからは庭全体を見渡せ、自然光を最大限に取り入れることができます。一方、中庭からは寝室の一部しか見えないため、プライバシーを保ちつつ、庭を楽しむことが可能です。

3. 中庭の設計

中庭を持つ家の魅力は大きいですが、その設計は簡単なものではありません。中庭の面積、間取りや生活動線、排水設計など、絡み合ってくる多くの要素を解決しなければいけません。
さらには、家族構成やライフスタイルによって、どんな中庭を設けるべきかが変わってきます。例えば、子供がいて自然と触れ合いたい家庭、プライバシーを重視し静かな空間を求める夫婦2人の家庭、人目を気にせずガーデニングやアウトドアを楽しみたい家庭、それぞれ中庭の作りが異なってきます。
これらをしっかりと考慮した設計を行ってはじめて、中庭を豊かで快適な生活空間の一部とすることができるのです。

3.1. 中庭に必要な広さ(面積)

中庭を設ける際に最初に決めるべきことは、その広さです。広すぎても狭すぎても、住み心地や効果を最大限に引き出すことができません。

しかしながら、中庭の最適な面積に決まりはありません。家全体のデザインや間取り、住人のライフスタイル、中庭で何をしたいのかなどの目的によって、ベストな広さが変ってきます。
例えば、ひとりで読書や瞑想のための静かな場所が欲しいなら、小さな面積でも充分です。一方、家族4人でバーベキューを楽しむスペースが欲しい場合は、それなりの面積が必要です。

実際に間取りプランを作成する際は、テーブルや植栽などを仮想的に配置してみることで、必要な面積を見積もることができます。

3.2. 中庭のある間取りの作り方

中庭のある間取りは、住人の生活スタイルや好み、さらには建物の形状や向きによって大きく変わります。一般的には、リビングやダイニング、キッチンなど、家族が過ごす時間の多い生活空間から直接アクセスできる位置に中庭を作ると便利です。

中庭は、視覚的な広がりを生み出すだけでなく、通風や日当たりを改善する効果もあります。そのため、自然光を多く取り入れたい場所、風通しが必要な場所に合わせて、中庭を配置することをお勧めします。

それから、中庭の位置は建物の中心に位置することが多いため、生活動線に影響を与えやすいです。
生活動線とは、家の中における日常的な人が通るルートのことです。無計画に中庭を設けると、この生活動線が大きく影響を受けてしまうのです。
例えば、リビングからキッチンへ、キッチンから脱衣所へと移動する動線が中庭の横を通過する場合は、中庭が視界に入るのでその移動自体が楽しみになり、暮らしが豊かになるでしょう。しかし、逆に中庭が生活動線をさえぎってしまうと、かなり不便に感じるはずです。そのため、中庭のポジションは日々の生活の動きや流れをスムーズにするためにも、とても重要な鍵となります。

中庭を設ける場合は、家族の生活スタイルや個々の生活動線をしっかりとイメージし、それらを邪魔せず、できる限り活かす設計を心掛けましょう。リビングとキッチンに面した場所に中庭があると、料理をしながら自然を感じられ、リビングで過ごす家族にも開放感が生まれるだけでなく、食事やリラックスタイムの際に中庭を利用する機会も増えるでしょう。

3.3. 排水の設計

中庭の設計において排水の問題は非常に重要です。雨水が適切に排水されないと、モルタルなどの建材の劣化や損傷を引き起こします。最悪の場合、建物自体の寿命を縮める可能性もあります。

中庭の排水設計は、地形や土質、雨量などによって大きく異なります。
一般的には、中庭の底部に適切な勾配をつけ、雨水が自然に流れ出るように設計します。また、長時間に渡る豪雨に備えて、雨水ポンプを用意したり、溝などの排水設備を設けることもひとつの方法です。

また、排水するだけでなく、雨水を活用するという選択肢もあります。
雨水タンクを設置し、その水を植物の水やりや庭掃除などに利用することで、エコフレンドリーな生活を実現することが可能です。

3.4. 建築基準法や地域の条例

中庭の造成には、建築基準法や地域の条例に従う必要があります。
これらの規制は地域や建物の高さや規模によって異なりますので、詳細は設計者や地方自治体に問い合わせた上で、設計を進めていきましょう。

4. 中庭のメリットとデメリット

中庭は生活に様々な彩りをもたらすメリットもありますが、同時にデメリットも存在します。
中庭を作る際は、その両方を理解した上で、バランス良く計画することが重要になってきます。メリットとデメリットを踏まえて中庭の有無を決定することで、より納得感の高い家づくりとなるでしょう。

4.1. 中庭を設けるメリット

4.1.1. 日光

中庭の最大のメリットのひとつは、自然光を家の内部に取り入れることができる点です。
光が差し込むことで、部屋全体が明るく広々と感じられます。自然光は心地よさやリラックス感をもたらし、健康的な生活環境を作る要素ともなります。
また、光が入ることによって日中は照明を使わずに済むので、電気代の節約にもなります。

4.1.2. 風

風通しが良くなることも中庭の大きなメリットです。
中庭があると、建物の窓から窓への距離が短くなります。そのことによって家の内部に風が流れやすくなり、換気がスムーズに行えます。
特に夏場に有効で、自然の風を感じながら過ごすことで、体感する暑さを抑え、心地よい空気感を生み出します。さらに冷房を使用しなくて済む時間が増えることで、省エネに繋がります。

4.1.3. プライバシーと静けさ

ロの字型やコの字型の中庭は家の中心に位置するため、庭に向かう外からの視線を遮る役割も果たします。これは都市部のような密集した住宅地では、建物と道路との距離が近いので、プライバシーに敏感な方には特に重要です。
さらに、中庭があると、家の中に自然と静けさが共存する空間が広がることになり、開放感を味わいながらリラックスできる場所が生まれます。

4.2. 中庭を設けるデメリット

4.2.1. メンテナンス

中庭を設けることのデメリットのひとつがメンテナンス関連の負担です。
通常の庭と同様に、中庭でも庭木の剪定や草むしり、清掃など、定期的なメンテナンスが必要です。これは手間が掛かり、時間も取られるため、自分でやる意志があるか、外注する金銭的な余裕があるかを検討する必要があります。

4.2.2. コスト

中庭を設けるということは、一定の面積を部屋ではなく庭に当てるということになります。これはコスト面で見れば、家屋部分を小さくすることを意味します。
また、中庭を美しい景観にするための空間デザイン費や、樹木や草花、石やレンガなどの材料費はもとろんのこと、維持管理費も考えておかなければなりません。
そのため、中庭から受けられる恩恵と、発生する初期と長期的なコストをしっかりと比較検討し、自分や家族のライフスタイルや予算に合った中庭を設計することが大切です。

5. 中庭の造成と維持管理

中庭を設計し、造成が終わったら全て完了ではありません。中庭は継続的な管理や手入れが必要です。
この章では、中庭の設置工程とその後の維持管理について解説します。

5.1. 中庭の設置工程

中庭の設置は、住宅の建築工事の進行に合わせて行います。
基本的には、建物の骨組みが組まれ、屋根がかけられた後に中庭部分の工事が始まります。土壌の準備、植栽の配置、水回りの設備など、中庭の造成に必要な作業が順次行われていきます。

5.2. 中庭のメンテナンス

中庭は一年を通して楽しむことができる空間ですが、そのためには適切な管理とケアが必要です。

5.2.1. 日常的なメンテナンス

日常的なメンテナンスとしては、掃除やゴミ拾い、水やりがあります。
定期的に植物の手入れを行うことも大切です。植物の成長を見守りつつ、必要に応じて剪定や肥料を与えます。

5.2.2. 植栽の手入れ

草花や樹木の手入れは、中庭の美しさと健康を保つために不可欠です。これは、病害虫の対策や、特定の植物が過度に成長して他の植物の成長を妨げるのを防ぐために行います。

5.3. 季節ごとの中庭の管理

季節によって中庭の管理方法も変わります。春夏と秋冬で注意点が異なります。

5.3.1. 春夏の中庭ケア

春と夏は中庭の管理にとって重要な時期です。この時期は植物が日々成長し、また多くの害虫の活動も活発となるため、きちんと手入れをしておくことが大切です。

春は新たに植物を植えるのに最適な季節です。これからの成長を促すためにも、しっかりと根付くように草花を植えましょう。また、冬の間に枯れた枝を切り落とし、春の新芽が芽吹くためのスペースを作ることも大切な作業です。

植物への水やりは、植物の種類や日照条件によりますが、基本的には一日一回、朝か夕方に行うのがベストです。ただし、夏場は気温が高くなり、水分が早く蒸発するため、必要に応じて水やりの回数を増やすことも考えてください。

害虫対策は必須です。
春から夏にかけては、アブラムシやカイガラムシなどの害虫が増えます。これらの害虫は植物の成長を妨げるだけでなく、病気をもたらし、さらには近くの草木にも伝染する可能性もあります。そのため、定期的に状態を確認し、発見次第すぐに除去します。化学農薬だけに頼らず、テントウムシなどの天敵(生物農薬)を利用するなど、エコフレンドリーな方法を選ぶと環境にも人にも、優しく安全です。

さらに、中庭に設置した家具や飾りも定期的に手入れをして、美観を保つことも大切です。
暖かい季節は屋外で過ごす時間が増えるため、きちんとメンテナンスを行い、快適な空間作りに努めましょう。

5.3.2. 秋冬の中庭ケア

秋と冬は、植物が休眠する期間です。
この時期の主な手入れは、植物の寒さ対策になります。寒さに弱い植物は意外と多いので、必要に応じて防寒対策を施しましょう。雪が降る地域では、雪の重みで枝が折れたり植物が圧迫されないよう、定期的な除雪も必要な作業です。
また、この時期は剪定の最適なタイミングでもあります。活動が休止している間に不要な枝を取り除き、春の新たな成長を促します。

秋は落葉の季節ですので、落ち葉の清掃も忘れずに行いましょう。
地面に落ち葉がたまると雨後に滑りやすくなりますし、雨水の排水も悪くなります。ただし、自然の堆肥や樹木の根元の防寒として利用できる場合もありますので、必要に応じて残しても良いでしょう。

こういった管理の作業は手間が掛かるように思うかもしれませんが、これらの努力により中庭は四季を通じて美しく保たれます。手入れが行き届いた中庭は、家の価値を高め、快適な居住環境となります。

6. 中庭の活用方法

中庭は、坪庭と違ってただ単に美観を楽しむためだけではなく、日々の生活の一部として、いろいろな利用方法で楽しむことができます。ここでは中庭で可能な活動とその準備について、あるいはイベント開催について、さらにはリラクゼーションスペースとしての活用方法について詳しくご紹介します。

6.1. ガーデニングスペース

中庭はガーデニング好きにとって自分だけの小さな庭園、もとい小さな楽園となります。
季節の花を植えたり、ハーブや野菜を育てることもできます。土いじりは心安らぐ時間となるだけでなく、新鮮がゆえに香り豊かなハーブや採れたて鮮度抜群の野菜を収穫して、料理に使うことができるので、まさに一石二鳥となります。

6.2. 子供の遊び場

安全性を確保した上で、中庭は子供たちの遊び場としても利用可能です。砂場や小さな遊具を設置することで、子供たちは自然と触れ合いながら楽しく安全に遊ぶことができます。

6.3. 家族や友人とのリラクゼーションスペース

中庭は、静かでリラックスできる場所として、家族や友人との共有スペースとして活用することができます。

6.3.1. 快適な座席エリア

座席エリアを作ることで、中庭は外の自然を楽しみながら、くつろげる場所になります。
ガーデンチェアやテーブル、ハンモックなどを設置すると、読書やおしゃべり、食事など様々な日常活動が手軽に楽しめます。

6.3.2. 音楽や読書のための静かな空間

中庭は、音楽を聴いたり、読書をしたりするのに最適となる、静穏な空間にもなります。
特に中庭の緑に囲まれながら、メロウなジャズやボサノバ、クラシック音楽を聴くと、自宅でありながらリゾート気分を味わうことができます。
読書をする場合も、余計な景観のない中庭の静けさと緑が集中力を高め、本の世界に没頭することができるはずです。
また、庭の景色を楽しみながらヨガや瞑想を行うのもおすすめです。

6.4. 中庭を活用したパーティーやイベントの開催

中庭は、家族や気のおけない友人を招いての集まりやイベントの会場としても、手軽かつ気軽に使えます。

6.4.1. 家族や友人との集まり

バーベキューやピクニック、アフタヌーンティーなど、中庭でのちょっとした集まりはとてもに楽しいものです。
アウトドア気分で食事をしたり、会話を楽しんだりすることで、日常生活の中のリフレッシュタイムとしても最適です。天候に注意が必要ですが、開催場所が自宅の中庭なので、突然の雨に降られたとしても、すぐに室内に移動して再開できる利点もあります。

6.4.2. 季節のイベント

ハロウィンやクリスマス、花見など、季節のイベントに合わせて中庭をデコレーションするのもおすすめです。
中庭で行うイベントは室内で行うのとは異なる開放的な雰囲気の中で楽しめるため、イベントをより一層特別なものにしてくれるはずです。さらに、子供たちもイベントを季節感と同時に体験し楽しむことで、記憶に深く残るでしょう。

7. まとめ

ここまで中庭について、基本知識から設計、活用方法までを詳しく見てきました。
中庭は、太陽の光と新鮮な空気を生活空間にもたらし、日々の生活に彩りを添えてくれるだけでなく、家族や友人との絆がさらに深まる時間を過ごすこともできます。
そのような中庭の基本的な形や特性、そしてどのように活用できるかを理解することで、あなた自身の理想の中庭がイメージしやすくなるでしょう。

さらに、中庭のメリットとデメリットを把握し、日常や季節ごとのメンテナンスについて知ることで、中庭のある家で暮らすことが毎日の生活に与える影響をより具体的に想像できたかと思います。手間を掛けてあげることによって、中庭はただの飾りではなく、暮らしの一部となり、あなたの生活環境を豊かにする素晴らしい空間になるはずです。

しかし、中庭の設計や造成には専門的な知識や技術が必要です。それだけでなく、完成後の維持管理していくための知見や、住人の労力も必要となってくることも考慮しておかなければいけません。
そして計画を進めている時に、一旦立ち止まって家族構成やライフスタイルを鑑みることによって、本当に中庭を設けるべきか否かの判断をすることが必要になる場合もあります。
そのため、最初からひとりで中庭づくりを取り組むことは、難易度が高く思えるかもしれません。

そこで、中庭について悩みや迷いが出てきましたら、ぜひ私たちsumuzuまでお気軽にご相談ください。注文住宅に関する知識豊かな一級建築士が、中庭のある家づくりや間取りに関してアドバイスさせていただきます。あなたの希望や予算に最適な解決策を見つけられるかと思います。あなたが想い描く家づくりの夢を一緒に実現させましょう。

この記事を書いた人

渡辺知哉

設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。