注文住宅の間取りで注意すべきポイント

 

1.はじめに

注文住宅を検討する上で、間取りを決めるということはとても重要なポイントとなります。なぜならば、生活のしやすさは住宅の間取りによって大きく左右されるからです。間取りは、収納や生活動線、水回り、家族団らんの空間など、様々な生活シーンに影響を与えます。注文住宅のメリットは間取りを自由に決められることにありますが、だからこそ慎重に考えて快適な暮らしが確保できるように工夫する必要があります。この記事では、間取りを検討する上で大切なポイントや、間取りの失敗事例などを紹介していきたいと思います。

2.間取りを決める上で大切なポイント

家族にとって「良い間取りか」「悪い間取りか」はそこに住む人々の価値観によって異なります。例えば、浴室を通常よりも広く取ってゆっくりとバスタイムを過ごしたいという人のプランがあったとします。このゆったりとした広い空間を「ゆったりできる空間」と捉えるか、「もったいない空間」と捉えるかは人それぞれです。また、夫婦とお子様が1人の家族と、夫婦2人だけの家族ではおのずと生活スタイルが変わってきます。自由設計を描けるからこそ、自分たちにとって最適なプランを反映させて、満足のいく間取りを実現したいものです。間取りのイメージがつかない人や、動線を考えることが難しいという人は、建築の専門家に相談した上で自分たちなりのベストな間取りを考えてみましょう。

3.間取りを決めるには優先順位を考える

注文住宅で家づくりをするのであれば家族全員の要望を反映させたいと思うのは当然のことでしょう。しかし、何から何まで全てが希望通りに進むとは限りません。そのよう時は、何を優先して何を重視するのか良く話し合い、家族にとって最適な優先順位を決めて行きましょう。部屋の数やその位置、コンセントの数や収納場所まで、決めるべき内容は数多くあります。動線についていえば、買い物から帰宅した際の「玄関からキッチンまでの動線」、洗濯を終えた際の「洗濯機からバルコニーまでの動線」、さらには来客があった際の客間までの動線など、日常的な生活動線からイベント的な動線まで、便利で快適な暮らしができる間取りを優先順位を整理しながら検討してみましょう。

4.間取りの失敗例をご紹介

4-1.生活音について
ストレスのない生活を送るためには音への配慮がポイントになります。トイレと寝室が近い場合は深夜でも物音が聞こえてしまいます。また、交通量の多い道路に面して寝室を設けることも騒音が聞こえてくる可能性があります。間取りによっては隣の部屋の話し声や物音が聞こえてしまう場合もあります。間取りを決める際はそれぞれの生活パターンを考慮した上で決めることが大切ですが、中にはそうも言っていられない場合もあるかと思います。そのような時は吸音性のある内装材を利用するなどして工夫するのも1つの考えかと思います。

4-2.生活動線がとても不便
水回りを家のあちこちに点在させると、洗濯機から洗濯干し場への動線が悪くなったり、脱衣室から洗濯機までの距離が遠かったり、何かと不便になります。予め生活する動線をイメージしておくことが大切なポイントです。

4-3.コンセントが使いづらい
コンセントの数や位置も生活の上ではとても重要となります。コンセントの位置を失敗すると想定していた家電を、想定通りに設置できなくなる事例も起こり得ます。掃除をする上でもコンセントの位置は重要となるので予め様々なシチュエーションを想定して考えるようにしましょう。

4-4.採光が取りづらい
夏は日射しが入るのに冬になると日射しが入りにくくなったり、採光を重視するあまり家具が日焼けをしてしまったという事例があります。家族が長い時間を過ごすリビングでは、日当たりが良くなるように意識をしたり、トイレや水回り・納戸などのような場所は採光の優先度を低くするなど工夫をすると良いでしょう。間取りを検討する上で、採光は生活に欠かせないものなので専門家と相談してバランスの良い採光を検討しましょう。

4-5.収納が足りない
家事の動線や部屋の数などで満足のいく設計プランでも、収納力で後悔してしまう人も多いようです。生活動線を考慮した上で必要な箇所に収納を設けたり、各部屋ごとの用途に合わせて使いやすい場所に収納スペースを設けるようにしましょう。設置する予定の家具の寸法を予め確認しておくことも、後々になって困ることを減らすポイントになるでしょう。

4-6.風通しが悪い
暮らしやすい生活を確保するには、採光だけではなく風通しを考慮することも重要です。窓と窓の位置関係により風通しの良し悪しが決まってしまうので、風向きや位置関係を考慮しながら風の通り道を確保すると良いでしょう。

5.まとめ

快適な暮らしを叶えるためには間取りの検討はとても重要です。具体的な間取りを決める際は、生活動線や採光・風通し、長い目で見た家族の生活空間、そして家具や設備の配置など様々な事柄を確認しながら決めていくことをおすすめします。家族の要望や優先事項を整理しながら間取りに反映させることが理想の家づくりへの第一歩となるでしょう。実際に家族が生活する様子をイメージしながら最適な家づくりを行って下さい。

この記事を書いた人

渡辺 知哉

設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。