コロナ禍で住宅事情に起きた変化とは?戸建てが人気の理由

 

1.はじめに

さまざまな産業が新型コロナウイルスにより大きな影響を受けている中、住宅産業もその例外ではありません。多くの企業がリモートワークの導入を推奨し、それに伴い企業で働く人々のワークスタイルにも大きな変化が生まれたと言えるでしょう。そのようなコロナ禍の中で住宅事情はどのような変化が生じたのか、ご紹介したいと思います。

2.コロナ禍が与えた住宅業界の変化

新型コロナウイルスは私たちの仕事や生活に大きな変化をもたらしました。それは住宅業界も例外ではなく、住宅の立地に対する考え方や、住宅の構造に至るまで多岐におよびます。コロナ禍における各住宅メーカーで起きた変化としては、リモートワークの普及で需要が増したワークスペース(空間)の確保や、換気・空調などのシステムを積極的に取り入れたことで、空気清浄などのニーズが高まったことなどが挙げられます。

その他、住宅メーカーによる住宅展示場の営業自粛・制限により住宅市場の縮小が避けられないということが大方の見方でした。しかし、ZOOM(ズーム)やビデオ会議等による非対面型の接客や、住宅ニーズの大きな変化などの追い風にも支えられ、市場の「低迷」は一時的なもので、それほど大きな変化はなかったと言えるのではないでしょうか。

新型コロナウイルスの蔓延で住宅業界に与えた影響の中で最も大きな問題は住宅の施工に必要な建材や資材の不足による納期の遅れが出たことでしょう。住宅設備や建材を製造する工場の中には一定期間稼働を停止する工場もありました。また、海外からの供給に頼っているメーカーは、工場の稼働停止による資材や建材の慢性的な不足で住宅市場に大きな影響を与えました。注文住宅でおうち時間を楽しむ間取りとは?記事はこちらから

3.コロナ禍が住宅購入に与える影響は?

新型コロナウイルスの影響で多くの人々が住宅の在り方に対する考え方を見直したのではないでしょうか。政府が企業に働き方改革を推奨していることも相まり、企業ではリモートワークの普及が進んでいます。そのような中で、多くの人々が住宅に必要なスペース(空間)の確保を考えるようになったと言えます。一部報道ではリモートワークの普及で都心に住むというメリットが薄れ、郊外へ需要が移るといった話題も注目を浴びました。住宅を建てる上でワークスペースを確保したい、自宅で過ごす時間が増えた分、広いスペースで快適に過ごしたい、これらの要望が増えてきたのがコロナ禍での特徴と言えるでしょう。

コロナ禍が住宅の購入に与えている影響として、一部の報道によると、一戸建てや注文住宅が好調な反面、新築マンションの発売戸数について前年比を大きく下回るなどの市況が伝えられています。では、一戸建てや注文住宅と新築マンションに大きな差がついた要因はどこにあるのか見ていきたいと思います。

・リモートワークの普及で会社への通勤頻度の低下により、通勤への利便性が優先されなくなり都心部のマンションよりも環境の良い郊外の一戸建てへのニーズが増した。
・共有部が多いマンションより独立した一戸建てのほうがコロナへのリスクが低い。
・タワーマンションと同じ水準の金額で、都心部から少し離れた立地にマンションプラン+ワークスペースの一戸建て住宅を建てることができる。

他にもさまざまな要因はあるかとは思いますが、上記理由からも一戸建てや注文住宅の好調はしばらく続きそうです。

4.リモートワークで需要のある住宅

多くの企業でリモートワークが推奨されている中、自宅で仕事をする上で困っていることは何でしょうか。一般的に言われていることは

・仕事のオンとオフの切り替えが難しい
・仕事をするスペースがない
・会社のデータを自由に扱えない(サーバーにアクセスできない)

などの意見が多いようです。
ここで注目すべき点は、「仕事をするスペースがない」という意見よりも「仕事のオンとオフの切り替えが難しい」と答えた人の割合が高かったことです。これは「ワークスペース」と「ワークスタイル」の違いをどう克服するかという問題で、今後、ますますリモートワークが普及すると仕事に集中できる空間づくりや、業務と休憩時間の使い方など、様々な工夫を凝らした住まいづくりが必要になってくるでしょう。リモートワークをしやすい間取りは個室、半個室や、ロフトの利用、スキップフロアなど様々ありますが、共有スペースを上手に使うことや、家族の気配を感じる距離感を上手に測りつつ集中できる空間を作ることも重要です。ご自身が目指す理想のライフスタイルやワークスタイルを実現するため、最近では、タワーマンションや建売住宅よりも設計に自由度の高い注文住宅が注目を集めつつあります。リモートワークで注目が集まる注文住宅 ⇒ 記事はこちら

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5.まとめ

コロナ禍が続きリモートワークが増えつつある中、人々の「ライフスタイル」や「ワークスタイル」にも少なからず変化が生まれているのではないでしょうか。また、外出自粛の要請により、家で過ごす時間が長くなればなるほど、住まいに対する考え方に変化が出てくる人もいるのではないでしょうか。コロナ禍は、住まいを利用する人の生活、住まいを提供する企業の製品やサービスにも大きな変化をもたらしました。もし不動産の購入を検討されている方は、注文住宅で自由度の高い理想の住宅を建てる良いタイミングなのかもしれません。今回ご紹介した内容をご参考に、コロナ禍ならではの注文住宅を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

渡辺 知哉

設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。