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ルーフバルコニー

注文住宅を建てる人があこがれる「ルーフバルコニー」の全てを徹底解説!

 

新築やリフォームを計画する際、「自宅に何か新しい要素を加えることはできないだろうか?」と考えたことはありませんか? その答えのひとつが「ルーフバルコニー」です。

ルーフバルコニーは、ただの屋外スペース以上の存在となります。
それは例えば、最上階から見下ろす素晴らしい景色を眺めたり、ほっとひと息つける休息の場だったり、はたまた気の置けない友人たちと楽しいひとときが過ごせたりする空間だったりします。
しかし、ルーフバルコニーは設置を決めるだけでは手に入りません。家の構造、そして地域の法律などに大きく影響されながら、あなたや家族の生活スタイルやニーズに合わせて作ることが大切です。

この記事では、ルーフバルコニーの定義から設置、メリット&デメリット、メンテナンスに至るまで、詳細に解説します。あなたの理想のルーフバルコニーが現実のものとなるための一助となるはずですので、ご一読ください。

目 次

1. ルーフバルコニーとは

間取りプランを作成する時に、設置したくなる人が多い「ルーフバルコニー」。
そのルーフバルコニーとは何か、その特徴や、そして似たような屋外スペースである「バルコニー」「ベランダ」「テラス」との違いも見ていきます。

1-1. ルーフバルコニーの特徴

ルーフバルコニーとは、その名前が示す通り、建物の屋根(Roof)に設けられたバルコニーのことを指します。また、ルーフバルコニーは、その場所を覆う屋根やひさしを設けてはいけません。
建物の屋根の上に作られるため、開放的な空間で高所からの見晴らしは良く、1階の庭に比べてプライバシーが確保しやすいというメリットがあります。特に都市部では、限られたスペースの中での追加できる生活空間として、とてもに重宝します。

1-2. 「バルコニー」「ベランダ」「テラス」の違いとは

そもそもルーフバルコニーの「バルコニー」とは何か? また、似たような場所を指す「ベランダ」「テラス」との違いや、それぞれの利用方法を、この章で説明していきます。
ちなみに、この3つの屋外スペースは、法的な定義によって厳密に区別されているわけではありません。地域や文化によって用語の解釈は変わる可能性がありますので、ご注意ください。

1-2-1. バルコニーの定義と特徴

バルコニーは、一般的に建物の2階以上で、屋根のない外部の空間を指します。
外部の空気や光を室内に取り入れたり、洗濯物を干したり、プランターや植木鉢でガーデニングを楽しむスペースの役割を果たします。
そして、このバルコニーが下階の屋上に作られたものを「ルーフバルコニー」と呼びます。

※ 参考:おしゃれなバルコニーのアイデア実践ガイド

1-2-2. ベランダの定義と特徴

ベランダは、屋根が付いたバルコニーのことを指し、上階のバルコニーやベランダが屋根となっている場合も含みます。このベランダは日本でのみ通用する意味を持つ単語で、元々の英語の「veranda」とは異なる空間を指す言葉となっています。
バルコニーと同様に、外気の取り込み、物干しやガーデニングの場所として使われることが多い場所です。

1-2-3. テラスの定義と特徴

テラスは、1階のリビングやダイニングから突き出して設けられた屋根のない屋外スペースで、タイルやウッドデッキなどが敷かれ、地面より一段高くなっており、庭と区切られています。
その造りから、屋外にあるリビングやダイニングの延長スペースとして使用されたりします。

2. ルーフバルコニーのメリットとデメリット

ルーフバルコニーは、都市部で人気がありますが、一体どうしてなのでしょうか?
それはやはり視覚的なものと機能性に魅力を感じる方が多いからです。しかし一方で、ルーフバルコニーには設置とメンテナンスの課題、そして経済的なデメリットも存在します。
この章では、利点と欠点をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1. ルーフバルコニーの主なメリット

2-1-1. 視覚的なメリット

ルーフバルコニーの最大の魅力の一つは、その視覚的な美しさです。
3階以上に設けられることが多いため、見晴らしが良く、周辺の景観を一望することができるだけでなく、場所によって遠くの山や海までの眺望を楽しむこともできます。また、空に近いためか、1階の庭とは一味違う開放感があり、自宅でありながらとても開放的な空間を楽しむことができます。夜には美しい夜景を眺めることもできます。

2-1-2. 機能的なメリット

機能性の面でもルーフバルコニーは優れています。
屋上という建物を建てた時に生まれる場所を利用するだけで、生活空間を増やすことができます。しかも基本的には屋根がなく、近隣の建物が日当たりをさえぎることもないので、日光を目一杯活用できます。そのため、生活の質を向上させる潜在的な価値が大きいです。
例えば、ガーデニングや物干しはもちろんのこと、屋外用のテーブルやソファーを置いてリラクゼーションスペースを設けたり、BBQパーティーを開いたりするだけでなく、広さによってはスケボー用のセクションも設置可能で、家族全員が嬉しくなるスペースとして活用できます。

2-2. ルーフバルコニーの主なデメリット

2-2-1. 設置までの課題

ルーフバルコニーの設置にあたっては、構造的な安全性を確保する必要があります。
建物の強度や耐震性など、建築に関する知識を必要とします。それだけでなく、利用方法によっては下階の間取りに影響が出てくるなど、様々な問題点が浮上してきます。
そのため、専門家と相談しながら計画を進めることがとても重要になってきます。

2-2-2. 経済的なデメリット

ルーフバルコニーの設置には、相応のコストがかかります。屋根を利用するとはいえ、場合によっては工事費用が高額になる可能性がありますし、家具を置く場合はその費用も追加されます。
また、メンテナンスにも定期的に費用が発生します。
したがって、ルーフバルコニーを設置する前には、初期の設置コストと長期的な維持コストをしっかりと把握し、予算との兼ね合いを考慮する必要があります。

3. ルーフバルコニーの設置:基礎から始めよう

あなたがルーフバルコニーを設置することを決定したら、まずプランを考えましょう。その設置にあたっては、法律の制約や設計の考慮事項、さらには費用のことも考えなければいけません。この章では、それらについて解説していきます。

3-1. ルーフバルコニーを設置する際の法律や制限

3-1-1. ルーフバルコニーと延床面積

ルーフバルコニーは屋根の上に設けられるため、基本的には延床面積には含まれません。
しかし、簡易的なものでも、屋根やひさしなど設置すると屋内の扱いとなる場合があり、その判断は地方自治体や時期によって異なりますので、必ず専門家に確認することをお勧めします。

※ 延床面積:建物のすべての階の床面積の合計

3-1-2. 地域の建築法規制

延床面積以外にも、ルーフバルコニーを設置する前に、地域の建築法規制の確認を必ず行ってください。都市部では建築に関する規制が厳しく、高さ制限や隣接建物との距離など、設計に影響を与える可能性があります。そのため、具体的な計画を立てる前に、専門家や市区町村の建築局などに問い合わせて確認することをお勧めします。

3-1-3. ルーフバルコニーに関連する特殊な規制

ルーフバルコニーには特殊な規制も存在します。
例えば、防火規制やプライバシー保護に関連する規制などがあります。これらの規制は地域や建物の種類により異なるため、具体的な計画を立てる前に専門家の意見を求めることをお勧めします。

3-2. ルーフバルコニーの設計と計画

3-2-1. サイズと形

ルーフバルコニーの設計にあたっては、サイズや形、向きが重要です。これは、ルーフバルコニーの空間の質や視界、そして設置コストに大きな影響を与えます。規模が大きくなればなるほど、より開放的な空間を享受することができますが、それに伴ってコストも増えます。

3-2-2. 素材や材料

使用する材料の選択も、とても大切です。
ウッドデッキは暖かみがあり、自然な雰囲気を楽しむことができますが、木材は傷みやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。タイルは耐久性があり、メンテナンスが少なくて済む反面、見た目が硬い印象を与えることがあります。そして、それによって設置する家具やガーデニング設備も考える必要が出てきます。
あなたのライフスタイルや好み、そして予算に合わせて、最適な材料を選ぶことが重要です。

3-3. 設置コスト

ルーフバルコニーの設置コストは、使用する材料とその規模によって大きく変動します。
一般的に、人気のウッドデッキはコストが高くなる傾向にあります。また、ルーフバルコニーの面積が大きくなるほど、そのコストも増大します。
また屋外用の家具や物置などの価格も、メーカーやラインナップによってピンキリです。コストを抑える場合は、品質やデザインと、価格を比較しながら選んでいかなければいけません。

3-4. ルーフバルコニー設置の注意点

3-4-1. 安全性への配慮

ルーフバルコニー設置にあたっては、安全性を確保することが非常に重要です。
まず、ルーフバルコニーの周囲に手すりを設置することは必須です。幼児がいるかどうかなど、住人の家族構成によって、その手すりの材質や高さをどうするか、考える必要があります。
その他、場合によっては床材の滑り止め処理をするなど、万が一が起きないように、安全第一で設計を進めてください。

3-4-2. プライバシーの確保

プライバシーを保つための対策も必要です。
近隣からの視線を遮るために、パーティションや植木の設置するなどの方法もあります。周囲の眺めや住人のライフスタイルとのバランスを考えながら、プライバシー確保の方法が決まります。

4. ルーフバルコニーの安全性とメンテナンス

4-1. 安全対策

ルーフバルコニーは2階以上の高い位置にあるため、安全対策は最優先事項となります。
特に手すりやフェンスなどに関しては、高さ、強度、間隔などが適切に設定されていることが重要です。さらに、小さな子供がいる場合や、高所恐怖症の人が使用する可能性がある場合は、手すりの高さや材質に関して、さらなる安全対策を考える必要があります。
その他、必要に応じて床材に滑り止め加工をするなど、万が一が起きないように、安全第一で設計を進めてください。

4-2. 天候や自然災害への対策

ルーフバルコニーは直接的に天候の影響を受けやすいため、強風や豪雨、雪などの自然災害から適切に対応できる対策が必要です。例えば、タイルや天然芝を設置する際は風に飛ばされないようにする工夫、雨や雪を効果的に排水する設計、また震災時にも安全な構造とするなどの対策が求められます。

4-3. メンテナンス方法

ルーフバルコニーの美しさと機能性を保つためには、定期的な清掃と保守が不可欠です。
床材や壁材の素材により適切な清掃方法や保守方法が異なるため、具体的なケア方法は設置時に専門家からしっかり教わっておくことが大切です。

5. ルーフバルコニーの活用方法

ルーフバルコニーは単なる屋上だけではない価値を持つ空間です。
家具の設置やガーデニングなど適切に設計すると、日常生活にリッチな体験をもたらす場所となります。

5-1. リラクゼーション

5-1-1. リラクゼーションスペースの作り方

ルーフバルコニーは都会の喧騒から離れ、静かな時間を過ごす理想的な場所になります。
快適なイスやソファーを設け、落ち着いた照明を配置し、プライバシーを保護するためのパーテーション類を設けることで、リラクゼーションスペースとしての価値を最大化できます。
また、防音対策を施すことで、さらに落ち着いた静かな空間を作り出すことができます。

5-1-2. ルーフバルコニーでのヨガや瞑想

ルーフバルコニーはヨガや瞑想を行うのに最適な場所でもあります。
ヨガマットを用意し、風を感じたり、空を見上げながら、心地よい時間を過ごすことが可能です。
季節や気候に合わせて、 日陰やヒーターを設けるなど気温対策をすることで、年間を通じて快適に利用することも可能となります。

5-2. エンターテイメントのアイデア

5-2-1. ホームパーティーのための準備

ルーフバルコニーはエンターテイメントスペースとしても優れています。
例えば、友人を招いてのホームパーティーは、室内で行うより一段と楽しいものとなります。アウトドア用の便利なグリルや冷蔵庫を用意し、屋外でBBQなどの食事を楽しんだり、夜には暖かいライトで照らし出すと、心地よい雰囲気が作り出すことができます。

5-2-2. 子供やペットとの楽しい時間

子供やペットと遊ぶのにもルーフバルコニーは最適です。
安全対策をしっかりと行い、子供やペットが自由に遊べる空間を提供すれば、彼らにとって安全な遊び場となるでしょう。例えば、柔らかい床材を選ぶ、囲いをしっかりと設置するなどの配慮をすると良いでしょう。さらに、子供の遊具やペットのおもちゃを置いておくことで、楽しい遊び場として利用することもできます。
しかし、ルーフバルコニーで遊ぶ際には、常に安全管理に注意を払うことが重要です。特に、子供やペットがひとりでルーフバルコニーに出ることがないように、適切なドアやゲートの設置も忘れずに行いましょう。

6. よくある質問

Q:ルーフバルコニーを設置すると、建物の耐震性に影響はありますか?

A:ルーフバルコニーの設置自体が建物の耐震性に大きな影響を与えることはありませんが、既存の建物に後付けする場合は、構造計算や補強が必要になる場合があります。

Q:ルーフバルコニーにBBQグリルを設置することは可能ですか?

A:可能ですが、火災防止や煙対策など、近隣への配慮などを考えなければなりません。

Q:ルーフバルコニーにプールを設置することは可能ですか?

A:原則的には可能です。簡易的な子供用のビニールプールではなく、常設プールを設置する場合は、建物の構造や耐荷重を考慮する必要があるので、必ず専門家一緒に計画を進めてください。

7. まとめ

ルーフバルコニーの基本情報から利用方法の可能性など、多角的に掘り下げてきました。ルーフバルコニーはただの屋上空間を超えて、贅沢なリラクゼーションスペースや家族や友人との絆を深めるエンターテイメントの場として活用できる例も紹介させていただきました。その他、設置の検討からメンテナンスまで、その詳細なプロセスと注意点についても解説しました。
しかし、これらの情報はあくまで一部に過ぎません。ルーフバルコニーの設置は、建築規制、敷地の条件、ご自身のライフスタイルなど、多くの要素を考慮しなければなりません。

ルーフバルコニーは便利で楽しそうなイメージが湧きやすく、注文住宅を建てる多くの人がその設置を考えます。しかし、実際にルーフバルコニーを設けている住宅は、意外と少なかったりします。なぜなら、単なる屋上とはいえ、クリアしなければいけない問題が数多くあるからです。
例えば、建築規制によって建主が希望するルーフバルコニーが作れなかったり、設置すると初期費用が予算オーバーになったり、継続的な維持管理費の捻出が厳しいと判断されたりなど、その理由は様々です。そのため、建主ひとりでプランを作成するのはかなり難しく、専門家の助けが必要となります。

弊社にはルーフバルコニーの設置に詳しい一級建築士が所属しています。
注文住宅を建てる際に、ルーフバルコニーの設置をお考えでしたら、ぜひ私たちsumuzuご相談ください。あなたが想い描くの理想的なルーフバルコニーの実現に向けて、条件ごとの設置の可否を含め、アドバイスさせていただきます。

この記事を書いた人

渡辺知哉

設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。