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単純に比較できない注文住宅の「坪単価」を徹底解説! 各ハウスメーカーの算出方法の違いとは

 

注文住宅の購入を考えている皆さん、「坪単価(つぼたんか)」という言葉を耳にしたことがありますでしょうか?
不動産の広告や住宅情報誌などを見ると、自然と目に飛び込んでくる言葉だったりします。
この坪単価、一見すると簡単な式で求められる、わかりやすい数値です。そして家づくりの予算を考える際の重要な指標になるですが、その一方で誤解や混乱を招くこともある指標でもあります。
そこで、この記事ではその坪単価についてわかりやすく解説していきますので、これからハウスメーカーや工務店を選ぶ際に参考にしていただければと思います。

1. 坪単価とは

「坪単価」とは家を建てるときの「1坪(約3.3m2)」あたりの建築費用のことで、一般的には「建物の本体価格」を「延べ床面積」で割った値のことを指します。
 ※ 延べ床面積:建築基準法に基づいて計算された、建物の全ての階の床面積を合計した面積。ただし、規定の床面積には、ベランダ、ロフト、ガレージなどは含みません。

建物の本体価格 ÷ 延べ床面積(坪)= 坪単価

例えば、建物費用が3000万円で延べ床面積が30坪の場合、坪単価は100万円という計算になります。

3000万円 ÷ 30坪(1坪→約3.3㎡)=100万円

坪単価は建築会社によって変動するので、注文住宅を建てる際の目安の1つとして広く世に知られています。しかし、一概に「坪単価」といっても、その計算方法は各社違ってくるのでいくつかの注意点を挙げていきます。

2. 坪単価の計算方法

坪単価を計算する上で注意しなければならないことは、「延べ床面積」ではなく「施工面積」を利用して坪単価を計算する建築会社があることです。施工面積は延べ床面積より広くなるため、どちらの面積を使って計算するのかで、坪単価の価格が変わってくるのです。
※ 施工面積:延べ床面積にベランダ、ロフト、ガレージ、外構、地下室(建物全体延べ床面積の1/3以下の場合)などを足した面積

延べ床面積3000万円 ÷ 30坪 = 100万円
施工面積3000万円 ÷ 40坪 = 75万円

3. 本体価格には何が含まれているの?

坪単価を考える上で、建物の基準価格となる「本体価格」について見てみましょう。
各ハウスメーカーが必ず含むもの、メーカーによって有無の違いがあるものがあるので、比較する際に注意が必要です。

本体価格には主に、「基礎工事」「外装工事」「内装工事」「住宅設備工事」などの費用が含まれています。さらには「電気工事」や木造住宅の骨組みを作っていく「木工事」などが挙げられます。
ハウスメーカーによっては、本体工事に含まれるもの、含まれないものがあるので、見積もりの際に必ず確認し、必要な工事費用を全て算出してもらうようにしてください。
その他、住宅を建てる上で、この本体工事以外に、付帯工事も発生するので頭に入れておくと良いでしょう。

【主な本体工事】

基礎工事建物の基礎を作る工事
外装工事屋根や外壁など建築自体の屋外工事
内装工事建物内部の壁・床・天井表面の仕上げ工事
住宅設備工事建物の「ガス」「給排水」「衛生機器」「空調・換気」などの工事
注文住宅の坪単価、その計算方法を知る

4. 坪単価だけでは判断できない注文住宅の建築費

建物の本体費用と延べ床面積から算出される数値が坪単価ですが、坪単価が安いからといって容易に「理想の家が建てられる」と思ってしまうことは注意が必要です。
前項目で書いたように、本体費用には外構工事や地盤改良工事、引込工事などの各種付帯工事の費用が含まれていません。
坪単価だけでなく、別途発生する付帯工事の金額もしっかり確認するよう、ご注意ください。

【主な付帯工事】

地盤改良工事地盤の調査により土地の地盤強度を高める工事
古屋の解体費用古い家屋を解体して撤去する工事費用
造成工事高低差のある土地の擁壁や土留め工事など土地の整地
引込工事ガス管や上下水管の引込事項

さらに、ハウスメーカーによって建物の本体価格に含まれる設備も異なっています。
例えば「完全フル装備」と謳って、カーテンやLED照明、エアコンも含まれた坪単価を出すメーカーがあります。一方で、後付の設備は何も付いてなく、そのままでは住むことができない状態で坪単価を算出するメーカーもあります。
このように、ひと口で坪単価と言っても内容はハウスメーカーによってバラバラですので、坪単価を比較する際は、本体価格に何が含まれているかをしっかり確認した上で行ってください。

【注文住宅に含まれる総額内訳】

本体工事費 付帯工事費  諸費用 

5. 同じ面積でも変動する坪単価

同じ面積でも建物のデザインで坪単価が変わってくることがあります。
延べ床面積が同じ建物でも外観に凹凸や角の多いデザインの建物になると、材料や工事の手間が増えるため、当然坪単価は高くなります。逆にシンプルなデザインの場合は、角が多い複雑なデザインの住宅よりも坪単価が安くなる傾向にあります。
注文住宅を建てる際、費用をできるだけ抑えたい場合は、まずシンプルなデザインのベースを作ってもらい、金銭的に余裕があれば、外観のデザインにこだわっていくと良いかと思います。

6. よくある質問

Q:坪単価と家の耐久性は関係ありますか?

A:高品質な材料や最新の技術を用いることで耐久性は向上しますが、それは必ずしも高い坪単価と直結するとは限りません。耐久性を確認するためには、その家の構造体や材料、施工方法などについて、ハウスメーカーや工務店に確認してください。

Q:坪単価を下げるためにはどうすればいいですか?

A:坪単価を下げるためには、例えば建物の規模を見直す、外観をよりシンプルな設計にする、設備を必要なものに絞る、などの方法が考えられます。ただし、建物自体の品質を犠牲にしないよう注意してください。

Q:省エネ住宅エコ住宅)を建てたいのですが、坪単価は高くなりますか?

A:省エネ住宅の場合、高機能な断熱材やエネルギー管理システムなど、特殊な設備や材料が必要となるため、一般的な住宅に比べて坪単価は高くなる傾向にあります。しかし、そのエコ住宅の効率的なエネルギー管理により、長期的なランニングコストを削減できるというメリットもあります。

Q:地震対策を強化すると坪単価はどのくらい上がりますか?

A:地震対策を強化すると、耐震性能の高い建材や構造体の使用、地盤改良などにより坪単価は上がる可能性があります。ただし、その上昇幅はどれだけ地震対策を強化するか、どのような技術や材料を使用するかによります。また、地震対策は安全面での重要な投資であり、保険料の軽減や倒壊後の再建築コストという観点など、長期的な視点で考えると十分に価値があると言えます。具体的な価格は設計内容やハウスメーカーによって異なります。

7. まとめ

注文住宅を検討する上で、坪単価はひとつの判断材料といえます。
しかし、同じ面積の家なのに計算方法や建築デザインの違いで坪単価は変動することが良くありますし、建物の本体価格の内容を確認せずに、坪単価のみで価格を判断するのも良くありません。
また、ハウスメーカーや工務店によって、坪単価の算出方法が異なるため、注文住宅の見積もりの見方に詳しくないと、正確な比較検討が難しい場合が多々あります。
sumuzuでは、弊社Landix所属の一級建築士をはじめ、注文住宅に精通しているスタッフが、お客様が比較検討しやすいように、各社の坪単価や見積もりの価格を同一基準のもとに算出し直すこともしています。
注文住宅を建てる際に、費用面で不明な点がありましたら、ぜひsumuzuまでご相談ください。


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この記事を書いた人

渡辺 知哉

設計事務所・大手ハウスメーカー・不動産ベンチャーを渡り歩き、ランディックスにジョイン。 設計事務所時代は戸建住宅をメインに設計しつつ、その他はビル・マンション・オフィス・ショップ等広く設計業務を担当。 ハウスメーカーでは営業・設計・IC業務を兼務。ベンチャーではリノベーションのワンストップサービス業務を担当。営業・設計の両面からサポートします。